運命を信じますか?
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「フッフッフッフッ…」
やぁやぁ、片桐拳士ですよ。
只今夕方のランニング中であります。
昨日、俺と話終えた菊岡さんは和人に会いに行き、見事協力を結びつけたらしい。
聞いた限りではそこそこに渋ったらしいが、俺の名前が出たとたんに柔らかくなったそうな。
俺、そんな趣味はないんだがな…。
「ふぅ………ん?」
一先ず休憩――――しようとしたとき、視界の端に一人の女子が2人の女子に囲まれて連行されていくのが目に入った。
見た感じでは穏便な感じではなく、長年の間では苛めな雰囲気を感じ取れる。
「…様子見。そう、これは様子見だ」
俺は誰にでもなく自分にそう言い聞かせて、件の女子達の方へと歩いていった。
「朝田〜。朝田詩乃〜」
夕食の買い物中。私は聞き覚えのある声に振り向いた。
そこには私と同じ学校でクラスメイトの女子2人が嫌な笑みを浮かべて私を取り囲んでいた。
「…何?」
――――またか。
私はそう思わずにはいられなかった。
彼女達は事あるごとに私に絡み、カツアゲや私のトラウマをほじくり返すようなことばかりしてくる。
もう慣れたとは言わないが、それでも初めての時よりはましな心持ちだと思う。
どうせ今回もまた、そう言った類いの事をされるに違いないのだから…。
「朝田〜。
悪ぃ、
私等カラオケで歌い潰しちゃってさ、帰りの電車代無いんだわ。
明日返すからさぁ、こんなけ貸してくんない?」
裏路地。
私を逃がさまいと後方を塞ぐ2人の親玉と呼べるような人物であるその女子生徒は指を立てて数字を示してくる。
立っている指は1。
それはつまり……。
「一万円?そんなに持ってない…」
そもそも電車代にそんな大金は必要ないはず。
それに今までだってそう言って返された試しがないんだから、貸すだけ無駄だと分かっている。
「じゃあ下ろしてきて」
女子生徒、遠藤さんは口に棒付のアメをくわえながらそう言った。
申し訳なさも微塵にも見せず、貸されることが当たり前であると言うかのように言うのだ。
けど私だって前までの弱いままじゃない。
『あの』出来事が私に勇気をくれるんだから。あの人を信じてるから。
だから――――
「――――いや」
「あ?」
「いや。遠藤さん、貴女にお金を貸す気はない」
「てめぇ…舐めてんじゃねぇぞ…」
「もういいでしょ。帰るからそこ退いて」
私は後ろへと向き直り歩き出す。
そこへ後ろから立ち上がるような音が聞こえたので振り替えると、遠藤さんが私の顔に拳を突きつけていた。
遠藤さんはその拳をゆっくりと変えていき、ピストルの形を作り出す。
「――――っ!?」
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