雷光と不死鳥
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追い討ちで焼け死ぬほどの高温の炎を放ち、3人へと向く。
外にいるなら燃やす心配をしなくて済むからな。
背後から断末魔の叫びと肉が燃える音が聞こえた。
「……化け物……」
そう3人のうちの1人が呟いた。
確かに俺は化け物さ。
だから、情け容赦はしねぇ!
両腕に炎を燃焼させる。
「……どうだ?
こんな子供に好きなようにやられる気分は」
ゆっくりと歩み寄る。
ズズッと3人の敵が後ずさる。
顔面は蒼白だ。
恐怖で震えている。
「……さみいなら、暖めてやろうか?
熱くするのは得意だぜ?」
「ヒッ……!」
敵が情けない声を出し、もう1歩後ずさろうとした時、大きな体躯をした10枚の黒き羽を持つ男が一瞬にして刈り取った。
プシャァァァッ!!とタイミングを逃した血飛沫が上がる。
作戦成功ってか……
だいたい4人目を殺したくらいから来ていたのだ。
バラキエルが……
だから、俺に注意を引き付けて最後の締めは譲ってやった。
それにしても……これは……
ツゥーッと額から汗が垂れる。
こえぇ、素直にそう思った。
濃密な殺気、そして圧倒的なまでの強者の雰囲気。
本気を出して、全力を出してもたぶん分の壁を超えることなく俺は死ぬだろう。
目の前の相手が全力で殺しに来たら。
俺はまだまだ弱い。
あそこまではまだ至れてはいない。
「朱乃を助けてくれて感謝する。
フェニックスの子よ」
バラキエルが俺を見た。
心臓を捕まれたかのような錯覚がした。
「いえいえ、俺は通りかかっただけなんでね」
そうか。"朱乃を"か。
でも一応駄目元で聞いてみよう。
「母親の方は……」
バラキエルはゆっくりと首を振った。
フェニックスの宝涙でも駄目だったか。
「そうっすか……」
原作通りに事が進むことになるな。
はぁ、何なんだよ。
このモヤモヤは……
「じゃあ、俺は行きます。
悪魔なんで」
羽を羽ばたかせその場を去った。
そして途中で敵が集まっていた場所で使い魔たちの死骸を回収する。
まだ使い魔にして1年もたってない奴らだ。
けれど、俺なんかを主としてくれたいい奴らだった。
無駄死にさせちまった。
不甲斐ない主で済まねぇ。
ちゃんと供養はするぜ。
さて、朱乃についてどうしようか。
何故か会いたくない。
せめて原作開始、いや、リアスが眷属に迎えるまで会わない。
けれど一応黒歌に頼んで黒歌の使い魔を3匹ほど監視につけて貰おう。
そして何かがあったらかげながら助けに行く。
その方向でいこう。
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