第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十九日・夜:『竜王の殺息』
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なせん》”の正体を知る。
《糸────否、綱糸か!》
「如何にも────我が『天草式十字凄教』の秘伝たる、左文字派の逸品」
指と手首、肘に深く食い込んだ────ピアノ線の如き刃。言葉が真実なら、名工の作であり納得の切れ味の綱糸を。
火織の左手に操作された綱糸、それ故にか食い込むだけだったが……拘束を解くには十分過ぎた刃。そんな神業、それにより致命的な隙を産み出して。
「────“唯閃”!」
放たれるは、彼女の切り札。莫大な魔力を纏う一撃は、過たず嚆矢の胴を抜き打ちに狙い────!
《柳生新影流兵法────“山月”》
「…………!?」
背後に走り抜けた嚆矢の手に、白刃取りにより掴み取られていた。
「……そう、ですか。私の右腕を掴んでいたのは、血流を止めて痺れさせるため……握力を奪うため、でしたか」
《如何にも。力なら俺が上、ならばそれを生かせる“山月”を成功させる為には、それが一番》
七天七刀を握り直し、振り返る。無造作に、その長い刃を火織の首筋に当てて。
敗北を悟り、悔しげに俯いた火織は────
「ならば、助けてください。貴方があの娘を……インデックスを」
《……………………》
「貴方ほどの魔導師であれば、それも出来るかもしれません……ですから、どうか。私の命の代わりに」
《知らねェよ。テメェらの願いなんて、叶える義理もない。だが……その命をかけると言う言葉に偽りがないなら》
その刃を、無造作に振り抜いて────壁面に、七天七刀を抉り込ませた。火織の首を払った、勢いのままに。
《……………………》
「……………………」
真っ直ぐに此方を睨み付ける美貌は、一欠片すらも怯む事もなく。心弱き者であれば、直視するだけでも狂死しかねない“悪心影”の燃え立つ眼差しを見詰めていて。
《……ハッ、大したもんだ。そんな覚悟があるなら、なんでテメェで救わねェ》
「それが出来るなら、始めからやっています。問題は、あの娘の記憶容量が持たずに生命活動を圧迫すると言う単純な事……いくら魔術でも、どうしようもない」
《はいはい、諦めの良いこって。さぞかし、アンタらを使ってる奴からしたら使いやすい駒だろうな》
空間転移により、火織を斬る事なく振り抜かれた七天七刀を手放す。そのまま、火織を押し退けて脇を通り抜ける。
《第一、『記憶と生命活動』は使ってる脳の分野が別
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