暁 〜小説投稿サイト〜
闇を祓う者〜他人の恋愛見てニヤニヤし隊〜
原作開始
クラス代表決定戦
朝ごはんって大事だよ。みんなちゃんと食ってる? 
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「彼方くん、そのストラップって?」
「ああ、これか?」

 そういえば、四人から貰ったストラップつけたカバンなのかこれ。忘れてたな。まあ、なんとかなるだろ。いや、なんとかする。

「友達から貰ったものなんだよ。結構気に入っててな」
「そう……なんだ」
「ああ。そうだ、この猫とか簪に似てないか?」
「う、うん。私もそう思う」

 ばれる訳にはいかない。情報は隠す。ただ、すぐには気付かない程度にはヒントをあげよう。俺は何も情報は渡していない。簪が俺の言葉から勝手にくみ取って気付いただけなのだから。これが、今の俺に出来る精一杯だ。

「簪、シャワーどうする? 後にするか先にするか」
「あ、じゃあ先でいいかな?」
「分かった。俺はその間に残りの荷物の荷解きするよ。ごゆっくり」
「う、うん」

 簪が着替えを持ってシャワー室へ消えたところで俺は大きくため息をついた。

「だはぁあああああああ……」

 するとルナが部屋の中に現界した。

「彼方くん、大丈夫? 素に戻ってたけど」
「ああ、気が抜けちまってな。ようやく原作スタートだ。ここまで支障が出ないようにずっと気を張って行動してきたからな。無事に原作が始まって安心しちまったのかもな」
「そっか。でもここからだよ」
「分かってる」

 原作が始まったということは、原作により自然な形で干渉しやすいようになる。《闇》がちょっかいをかけてくる確率は今までよりさらに上がるだろう。

「まず一番最初に邪魔してくるのは鈴とのクラス対抗マッチのゴーレム戦だよな」
「そうだね。原作の篠ノ之束ならまだしも、この世界の束さんなら一夏くんや鈴ちゃんの腕試しで送ってくるだろうし、二人のレベルアップを邪魔するためにもきっと《闇》は分身を送ってくるはず」
「ああ。この世界の亡国企業の心配はしなくてもよくなったからな。……最悪、あいつらは俺たちの戦いに巻き込まれる。その時に逃げられるだけの実力を持っていてもらわなくちゃいけない。全部、俺の勝手であいつらを動かしてる。まったく、何時になっても嫌になるな。こういうことを考えるのは」
「彼方くん……」
「別にお前の責任じゃないよ、ルナ。こういうことを考えるのは前世のころから俺の仕事なんだよ。なんてかっこつけたこと言ってるけど、他の人がこういうことを考えて傷ついてるのを見るのが嫌なだけなんだ。俺はさ、弱いんだよ、心が」




 あの世界で、最初参謀だった麻衣が泣いていたのを見かけたのが最初だった。
 麻衣は冷静で頭が切れて、何時も最善の策を俺たちに示してくれていた。初めて革命軍の兵士たちと戦った時のことだった。麻衣はいつも通り最善の策を示し、俺たちはほとんど無傷で戦いを終えた。そのあとでみんなから離れて泣いていた麻衣を見つけて
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