息抜き〜
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」
「・・・まあ、確かに。結構賑わってるし・・・」
俺は注文していたクレープを一口かじる。
「・・・意外に近代的なお菓子もある」
詠もケーキを口に入れる。
「確かに美味しいわね。・・・でも、こんなのんびりしてていいの?」
「俺の場合、気が使える訳でもないし、ましてや何かしら武術に長けてる訳でもない。俺は・・・」
手の平に闇を球体状に出す。
「・・・コレに長けてる。こればっかは鍛えられないからな。それに、やっぱりまた詠とのんびり過ごしたいって思ってたから・・・」
「・・・余裕がある今だけは気を緩めたいって訳ね」
「・・・そうそう。・・・詠は嫌か?」
「・・・ボクが咲のすることに嫌なんて言うと思う?」
「・・・う」
思わぬ不意打ちに顔に熱が溜まる。
「・・・ま、まあ。それならいいけど・・・」
『咲、聞こえるかしら?』
「・・・紫か?」
『ええ。用意が出来たわ。そっちはいいかしら?』
「ああ、構わない。・・・いいか?」
「もちろん。・・・それと、ボクも着いて行くわよ。・・・待ってるだけはもう嫌よ」
詠がまっすぐに俺を見る。
「・・・わかった。けど、危ないと思ったら・・・」
「危なくならなければいいんでしょ?」
「・・・頼りになる台詞だな。・・・分かった、行こうか。リパルもいいな?」
『当然ッス!』
俺達は食べ掛けの菓子を食べ、立ち上がる。さあて、いきますか・・・
亮〜
「・・・」
「悪いけど、あなた達の記憶は封じなければならないわ」
「・・・マジ?」
「反応があった世界も介入の必要がない世界・・・やっぱり世界の壁が厳しいのよ。一応傍観者の知り合いに誤魔化すよう頼んだけど・・・」
「じゃあボク達も・・・」
「二人は何とかそのまま行けないかやってあげるわ。亮と咲はすぐ行くのね?」
「ああ」
「当然」
紫は頷くと俺達に手をかざす。
「・・・目を閉じなさい」
「「・・・」」
俺達は言われた通りにする。
「じゃあ、行くわよ」
紫の言葉を最後に、意識はゆっくりと消えていった・・・
愛依〜
「・・・やっぱり何もなかったね」
椿が辺りを見渡しながら言う。
「あるのは廃墟だけ・・・何の世界なんだろ、ここ」
アタシは頭を掻きながら言う。
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