第一部
死と共にはじまるものは、生である
24時間営業中
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倒れる事があるだろう
その時は皆、実習で教わったように応急処置をしてあげるように」
あれ俺教材にされる?
生徒たちは一部を除きはーいと良い子の御返事をくれた
―――一部を除き、
「――うわーモヤシみてぇひょろひょろじゃねーか
なぁ赤丸
あんなのが忍者になれるかよ?」
・・・落ち着こう
素数を数えても落ち着けるわけがない
そう考えた時には体が動いていた
スローモーションで動く視界には驚いたような、戸惑ったような生徒たちの顔が見れた
一同を見渡した時にはもう、犬塚キバに掴みかかっていた
「――ッ
なにすんだよモヤシ!!」
振り払われた手を見る
なんだか首筋と腹部がぞわぞわと総毛立つ
熱を持ち始めた腹部をそれとなく触りながら、低く、自分でも驚くほどに低く呟いた
「―――― ウ ル サ イ ――――」
一瞬ひるんだように瞬きした犬塚に、彼の首を狙って手を伸ばす
その様子を見て彼の愛犬、赤丸はひどく畏縮したようにか細い声を出した
「ッ キュゥンっ・・・?!」
まるで俺ではなく、別のナニカに恐れるように
犬塚はただやられてたまるかと蹴りをかましてくる
そのまま2人して取っ組み合いのケンカが始まった―――
「お前らぁ〜!!
いい加減にしろ!あとねたみは血を拭え!というか吐血して大丈夫なのか!?」
教師であるイルカの前でそんな喧嘩が始まる訳もなく
彼によって両者引き離され、騒動は終わった
初日にして乱闘(未遂)騒ぎを起こした転入生として、しばらく皆の態度がよそよそしいのは仕方ない
体の弱さをバカにすると血を吐きながら掴みかかってくる
そんな光景を目の当たりにした一部の者たちが俺を馬鹿にすることはなかった
しつこいほど絡んで来るようになった犬塚を除いて――――
◇
過去の事を考えていると、いつの間にか寝ていた
机に突っ伏したまま、寝起きに吐血してしまい、それを教師に発見された
・・・結局、二時限目に保健室送りとなってしまった
「堂々とサボリか貴様ら」
まだ授業中だというのに、シュロとイカリまで保健室に居座っている
桶を抱えて血反吐を吐いてるオレを見ながら、弁当を取り出しやがった
「それでは第9回転生者会議始めるザマスよ!」
お茶と新しいタオルを配りながらシュロが宣言した
そう、何を隠そうここにいるオレを含めた三人は、転生者なのである
しかも、オレと同じように一度並行世界に転生してからこちら側に来ているのだ
それでもって、こいつら前世の性別と現在の性別が違う
シュロは元々女子高生で、イカリは大学生、男だったらしい
そのせいかイカリは自分の性別について悩み過ぎ、軽い鬱に陥っている
「宣
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