彼らの黒の想い方
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ねぇかな?」
「鳳統様、ゆえゆえ、えーりんだけじゃ飽き足らず……おいぃ? なんでだ……今度は見た目幼女じゃねぇぞ?」
「はぁ!? 徐公明が幼女趣味じゃねぇ、だと!?」
「俺らと熱く語りあった夜を思い出せ徐公明!」
「貧乳は“すてぇたす”なんだろ!? 希少価値なんだろ!?」
「誇りを無くしたか……徐公明っ」
「お前偽物だな!? 楽進様は上手く騙せたようだけど俺は騙されねーぞ!」
「誰か直ぐに幼女連れて来い! 早急に治療が必要だ!」
「この戦終わったらえーりんに告げ口してやるかんな!」
やんややんやと騒ぐ男達。貶して、責め立てて、記憶を失ったことすら話に上げて、徐晃殿に声を上げていた。
彼らの言葉を耳に入れたからか、腹を抱えてげらげらと笑う張コウは目に涙を浮かべて彼を指さす。彼らにも、可笑しそうに笑い転げているモノまで居た。
戦場で日常が出来上がった。ついさっきまで殺し合いのただ中に立っていたというのに……わけが分からない。
何をしているんだこいつらは……そう思っても、余りの異常さに口を挟めない。自分が……おかしいんだろうか? いや、普通なはずだ。
「こんの……バカが。明、あとで覚えとけよ? お前らも詳細知ってるくせに明に乗っかってちょけてんじゃねぇ!」
「はっ! 幼女侍らせてから出直して来い女たらし!」
「俺らに認めて欲しけりゃ戦を早く終わらせて夜通し語って見せろ!」
「そんときゃしっかりと幼女趣味認定してやるけどな!」
「早く行け“ろりこん”め。お前には待ってる幼女が居るだろう?」
自分の口からため息が漏れる。
子供だ。なんでこんなに気楽でいられるんだ。正直な所、少しだけだが、尊敬していた自分が情けなく思えてくる。
頭が痛い。幼女趣味だなんだと聞き続けて戦の事など忘れてしまいそうだった。
下らない話をして、兵士達に弄られて泣きそうになっている彼が……月光の上でくるりと前を向く。
それを見て張コウも、笑いを無理やり押し込めて、連れて来られていた馬にひょいと飛び乗った。
「あー……ふふっ、最っ高♪ んじゃあちょっと行って来るから、あたしのバカ共の事もよろしくね♪ あ、それとさ、その中の一人に暴れてる奴等に対しての伝令に行けって言っといて。内容はー……まだ食べるモノあるから今は我慢……ってね」
「任せてくれ張コウさん。しっかりとやっときやす」
返答を聞いてからひらひらと手を振って、彼女は徐晃殿と馬を並べた。
私も急いで馬に飛び乗って並ぶ。馬の扱いはそんなにうまくないけど……頑張ろう。
「おい、徐公明」
彼の背中に、一人の兵士の声が掛かる。ピクリと身体を跳ねさせた彼は、振り向かずに片手をゆっくりと左右に振って応えた。
彼らを見るとその表情は、さっきまでの砕
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