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Fate/staynight/the/crossovermoment
曖昧な思想
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迄の聖杯戦争では禁忌と言われた『クラス拡張』で召喚された未知の英霊だ。彼の能力は魔力の操作『魔術回路収束安全装置』要するに『魔術回路』に必要以上の魔力を抑える為の予備倉庫と考えれば解りやすい。
「僕の能力で補ってるけど・・・無茶の度合を超えてるね」
魔術回路の拡張を無理に億着に『不完全』で完成させた『未知の技術』を彼女は自分の手で無理矢理に躯に押し込んだ。体内の霊体に魔力の供給が許された『主』は普通の手順では相棒に魔力を供給出来ない。彼女の躯に触れ『ガンナー』が魔力を吸収する事で彼女の命は保たれている。魔力を無限に永遠に生み出す技術を完成させた彼女は天才だ。でも、自分を被検体にするなんてね。
「・・・・・・・」
寝言?可愛いな。睡眠時間が他の人間以上に強いられる彼女は一日の殆ど寝て過ごす。彼女に必要な睡眠時間は約20時間だ。脳の負担が大きい『未知の技術』に名称は存在しない。強いて言えば『ゼウスdeerブレイカー』と言ってたが意味は解らない。
長い・・・長い夜は続く。
安息の安心の・・・彼女の夜は・・・まだ・・・続く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暗闇の街に彼は・・・悩む。闇は人を惑わすが時に和ませる。光は人を安心させるが時に鬱陶しい。
caseバイcaseだ。状況に応じて人間は変化する。好きな物・嫌いな物・無関心な物に色々と存在する鬱陶しい物は世界に溢れている。必要な物は幾つ?要らない物は幾つ?
「『ランサー』」
少年の声で『ランサー』は目覚めた。
「英霊でも寝んの?」
制服姿の『マスター』は片手に持った缶ジュースを『ランサー』に投げた。
「感謝する」
言葉と同時に空中に浮かんだ『缶ジュース』をキャッチする。少年は下らない目付きで空を見上げ呟いた。
「奴が・・・目覚めた」
「奴・・・・彼ですね」
「寝てる暇はねぇぞ。
準備に取り掛かる」
魔方陣が出現した。少年の魔術回路に流れる魔力を吸収、光を放ち魔方陣は効力を発揮する。月の角度は完璧、月の輝き・月の魔力・・・計算通りの結果は次々と起こる。
「神の槍『ロンギヌス』
破滅の槍『カシウス』
万能の槍『グングニール』」
『ランサー』の宝具達は唄い始めた。破滅の唄・万能の唄・神の唄は奏で音を変える。全ての唄は魔方陣に導かれ魔方陣は完成『魔神陣』の誕生だ。
「素晴らしい・・・・完成ですね」
槍は唄を唄う。唄は雲の色を彩る。世界の意味を書き換える。
「完成と言いたいが・・・未完だ。
完璧な複製は不可能・・・完成品に近い本物かな」
本物の魔方陣は・・・存在しない。
本物が存在しない世界を望む少年は本物を嫌う。
「ふむ。
興味深い『完成』を否定する『魔術師』」
「僕は否定を否定する。
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