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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-10 すべての終わり
Story10-3 最終ボス
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に達するまでは明かさないつもりだったのだがな」

ヒースクリフはゆっくりとプレイヤーたちを見回し、笑みの色合いを超然としたものに変えて堂々と宣言した。

「確かに私は茅場晶彦だ。

付け加えれば、最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」

隣でアスナが小さくよろめいた気配がし、キリトがヒースクリフから視線を逸さずそれを左手で支えた。

「趣味がいいとは言えないぜ。最強のプレイヤーが一転最悪のラスボスか」

「なかなかいいシナリオだろう?

君たちはこの世界で最大の不確定因子だと思っていたが、ここまでとは」

ヒースクリフ、いや、茅場晶彦は見覚えのある薄い笑みを浮かべながら肩を竦めた。


茅場のアバターであるヒースクリフは、現実世界での姿とは明らかに違う。

だが、その無機質で金属質な気配だけは、彼が最初の正式サービスで見せた時の無謀の姿と共通していた。



茅場は笑みをにじませたまま言葉を続ける。

「最終的に私の前に立つのは君たちだと予想していた。

全15種存在するユニークスキルのうち、撃二刀流スキルは全てのプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者、連二刀流スキルはSEEDスキルと共に全プレイヤー中最高の敏捷力を持つ者に与えられ、その者たちが魔王に対する勇者の役割を担うはずだった。勝つにせよ負けるにせよ」



そして茅場は話を続ける。

「君たち2人は私の予想を遥かに超える力を見せた。

攻撃速度といい、その洞察力といい、な。



…………まあ、この想定外の展開もネットワークRPGの醍醐味と言うべきかな」

その時だった。




凍りついたように動きを止めていたプレイヤーの1人がゆっくりと立ち上がったのだ。

そのプレイヤーはKoBの幹部を務めている男で、朴訥そうなその細い目には凄惨な苦悩の色が宿っている。

「貴様、貴様が…………

俺たちの忠誠、希望を、よくも、よくも…………」

男が巨大な斧槍を握り締めた。

「よくもーーーーーーッ!!」

「やめろ!」

シャオンはものすごいスピードで動き、男を止めた。

「邪魔をするな!」

男は我を忘れて飛びかかろうとしている。

「落ち着け!奴はこの世界の管理者だ。今お前が飛びかかったところで敵う相手じゃない!
システムの力で動きを止められるかもしれないだろ!?」

シャオンの言葉に男は悔しながらも動きを止めた。

「さて、ここで証拠隠滅の為全員殺すか?」

「まさか、そんな理不尽なことはしない。予定は早まったが最上層の紅玉宮にて君たちの訪れを待とうかと思っていたのだが…………

私の正体を看破した報奨を与えなければならないな」
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