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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-9 新婚生活
Story9-11 別れ
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再び2人の頬を涙が伝う。

「パパ、ママ、ありがとう」

「これで、お別れです」

「いや…………嫌だよ!そんなの!」

フローラは叫んだ。

「だってこれからじゃない!!」

「これから、みんなで楽しく、仲良く暮らそうって…………」

アスナも涙まじりの声になって訴える。

「ユイ、行くな!!」

キリトがユイの手を握る。

ユイの小さな指が、そっとキリトの指を掴む。

「行くな、レイ!!」

2人の髪や、服が、その先端から光の粒子を撒き散らして消滅を始めた。

2人の笑顔がゆっくりと透き通っていく。重さが、薄れていく。

「やだ!やだよ!!ユイちゃんがいないと、わたし笑えないよ!!」

「レイちゃん、行かないで!私、レイちゃんがいないと嫌なの!」

溢れる光に包まれながら、2人はにこりと笑った。


消える寸前の手が、フローラとアスナの頬を撫でる。

――ママ、パパ、笑って


泣かないで

2人の姿が消えた。

「あ、ああああああ!!」

「うわあああああ!!」

アスナ、フローラはその場に伏して子どものように泣き崩れてしまった。





「いや…………まだだ!まだ終わってない!
いつもそう思い通りになると思うなよ!カーディナル!」

シャオンは涙を振り払ってGMコンソールにアクセスした。

「シャオン、君?」

シャオンはキーボードを叩きながら必死で作業した。

「絶対にあの子達の願いを叶えないといけないんだ!

父親として、俺は光を放ち続けなきゃいけないんだ!」



――今、フローラを本当の笑顔にできるのは…………
他の誰でもない……俺だけだから






そして、表れたゲージが左端までいったとき…………




青い光がシャオンを吹っ飛ばした。

「シャオン君!」

「大丈夫…………生きてるよ」

シャオンは何とか子供たちの心を切り離した。


シャオンとキリトの手のひらに一つずつちいさなクリスタルが表れた。


ユイとレイ、2人の心だ。

「フローラ、これ」

シャオンが差し出したのはペンダントになってその先にレイの心を取り付けたものだ。

キリトも同様アスナに渡した。

「これは、2人の生きていた証だ。これをつけていてくれ」

「……うん」

こくりと頷き首につけた。







――お父さん、私の願い叶えてね

微かに聞こえた、レイの言葉。

「ああ、約束するよ。必ずフローラを笑顔にし続けるからな。レイのために、みんなのために」

シャオンの心に届いたようだ。








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