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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-9 新婚生活
Story9-5 久しぶりの第1層
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るのを見つけました。
ただ…………」
アスナが小さく俯き言葉を濁すと、キリトがぎゅっとアスナの手を握り、そして、フローラが代わりに口を開いた。
「記憶をなくしてるみたいで…………」
「まあ…………」
サーシャの深緑の瞳が、眼鏡の奥で大きく見開かれる。
「装備も、服以外には何も所持していなくて、上層で暮らしていたとは思えませんでした。
ですから、はじまりの街に保護者、又は知っている人がいるのではないかと、探しに来たんです」
「それで、此方の教会に子供たちが集まって暮らしていると、人から聞いたものですから…………」
「そうだったんですか」
サーシャは両手でカップを包み込むと、視線をテーブルに落とした。
「この教会には、今、小学生から中学生くらいの子供たちが20人くらい暮らしています。
多分、現在この街にいる子供プレイヤーのほぼ全員だと思います。
このゲームが始まった時……」
声は細かったが、しっかりした口調で彼女は話し始めた。
「それくらいの子供たちのほとんどは、パニックを起こして多かれ少なかれ精神的に問題を来していました。
勿論ゲームに適応して、街を出て行った子供もいるんですが、それは例外的なことだと思います」
そういえば、当時はそんな子供たちも…………
いや、子供だけでなく大人にも現実を受け入れられず、壊れていく…………そんな人たちが多かった。
「当然ですよね、まだまだ親に甘えたい盛りに、いきなりここから出られない、ひょっとしたら二度と現実に戻れない、なんて言われたんですから。
そんな子供たちは大抵虚脱状態になって、中には何人かそのまま回線切断してしまった子もいたようです」
サーシャの口許が強張った。
「私、ゲーム開始から1ヶ月くらいは、ゲームクリアを目指そうと思ってフィールドでレベル上げしてたんです。
でも、ある日、そんな子供たちの1人を街角で見かけて、どうしても放っておけなくて、連れてきて宿屋で一緒に暮らし始めたんです。
それで、そんな子供たちが他にもいると思ったら居ても立ってもいられなくなって、街中を回っては独りぼっちの子供に声をかけるようなことを始めて。
気付いたら、こんなことになってたんです。
だから、なんだか、あなた方みたいに、上層で戦ってらっしゃる方もいるのに、私はドロップアウトしたのが、申し訳なくて…………」
「そんなことないですよ。サーシャさんは立派に戦ってます…………俺たちなんかよりも、ずっと。
俺たちはただモンスターと戦っているだけ。
でも、あなたは子どもたちを助け、守ろうとしている。それだけでも、俺たちより立派ですよ」
「ありがとうございます。そんな風に言っていた
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