第09話 妖艶のベルカ
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らぶらぶ”なんだね」
「‥‥‥‥‥まぁ、そうだな」
ハトはその光景を見て何かを想像していた。
すぐに赤くなった。そして、首を振ってそれを吹き飛ばした。
彼女は、顔をセキレイの方向に向けて訊いた。
「セキレイお兄ちゃんは好きな人いるの?」
唐突な質問を理解するのに少し時間がかかった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!?」
理解した。
「な、何で急にそ、そんなこと訊くんだよッ!?」
セキレイはつっかえながらも訊き返した。
ハトは小さい体をさらに小さくして答えた。
「私には‥‥‥‥‥いるから」
その答えにセキレイは驚きを隠せなかった。
老夫婦のイチャイチャで少し騒がしいはずのこの場が
静寂の中に包まれたように感じた。
「お、お兄ちゃんは‥‥‥‥どうなの、かなって‥‥‥思って‥‥‥‥‥」
ハトは顔を赤くしてセキレイの方をじっと見ていた。
仕方ないので、彼は正直に答えた。
「おれもいるよ」
それを聞いたハトは少し不安そうな顔になった。
セキレイは話を続けた。
「そいつとは、あった瞬間驚かされて、久しぶりに会ってみたら
なんか前よりも可愛くなってて、子供で、泣き虫で、でも強くて
おれは会った時から、何故かそいつに惹かれてたんだ」
ハトの表情が少しずつ喜びで満ちていっているように見えた。
「そいつはおれの事をとても大事に思ってくれた。
おれがやられた時は、本気で悲しんでくれた。
おれが死にそうな時は、本気で祈ってくれた。
家族のいないおれを、いつも支えてくれていた。
そんな奴だから‥‥‥‥‥‥‥‥かな」
セキレイはそう言うと、少し顔をそらした。
「そいつが、おれをどう思ってくれてるかは知らねぇ。
だが、少なくともおれは、そいつの事が好きだな」
それを聞いたハトは、頬を赤く染めて笑顔になった。
セキレイも顔を戻して笑顔を見せた。
「俺が完全に置いてかれてるんですけど‥‥‥‥‥」
ジョンは全員に聞こえるようにつぶやいた。
全員はジョンの方に顔を向けた。
「ここが監獄内か、外に出たときならまだいいけどさ
俺達は脱走中で今追われてるんだよ。
逃げるかどうにかして安全なとこまで逃げないと――――――――」
ドゴオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオンッ!!!
突如、轟音が鳴り響いた。壁を何かが壊したようだ。
そして、素体型″鎧虫″がまた這い出てきた。しかも今度は沢山。
「――――――――――こうなる」
ジョンは最後に付け加えた。
「ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッ!!」
″鎧虫″たちは口々に叫び声を
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