第09話 妖艶のベルカ
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″から跳び降りた。
「これだから心配なんじゃ――――――おわっ!?」
「あなたッ!!」
ガバッ!!
カツコは男に思いっきり抱きついた。
三人は最初はただ呆然と眺めていたが
その男の顔を改めて見て、彼が何者かを思いだした。
「あッ!!カイエンッ!!」
彼はあの時セキレイたちを助けた老人、カイエンだった。
カツコは彼の顔をいじりながら言った。
「久しぶりねぇ。大丈夫だったの?」
カツコの問いにカイエンはあっさり答えた。
「そりゃあもう、今日はハチャメチャな一日じゃったよ」
返答を聞いたカツコは少しムッとした顔で言った。
「いつからおじーちゃん言葉になったのよ?」
「どうせワシはあと少しで400なんじゃし。老人まっしぐらじゃ」
「私は昔のワイルドなあなたが好きだったのに」
「今でもハードボイルドじゃが?」
そんな感じの会話がしばらく続いていたが、セキレイは少し心配だった。
あの巨大な虫、″鎧虫″がまた動き始めるのではないかと。
「大丈夫じゃよ」
セキレイの心情を察したかのようにカイエンは言った。
「焼き切られた傷は再生が遅い。それに核をやったからもう動けん」
カイエンの言う通り、傷は熱によるものか焦げていた。
腹の横側に見えるポコッと出た何個もある″増殖器官"は
全てさっきの一撃で真っ二つに断ち切られていた。
「よぅ、若者よ。また会ったな」
カイエンは軽く手を上げた。
「ね、ねぇ‥‥‥‥‥」
ハトはカイエンに質問を投げかけた。
「おばちゃんとおじいちゃんって“ふうふ”なの?」
それを聞いたカツコはカイエンの腕に抱きついて答えた。
「そうよ、私たちは夫婦なの?」
「‥‥‥‥‥‥ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええッ!!?」
三人は目の前の二人を見ながら大声で叫んだ。
**********
「夫婦かぁ‥‥‥‥‥‥」
セキレイはその言葉を反芻していた。
「やっぱこういう所でも居るんだな。そういう人たちが」
彼は二人を眺めながら言った。
二人は何かイチャイチャとしている。
「久しぶりに会った奥さんに“シワが増えた”はないでしょ!!
こう見えても手入れはキチンとしてるんだからッ!!」
「すまんすまん‥‥‥でも、久しぶりに会えてうれしいのはホントじゃよ。
綺麗な奥さんの顔にシワが増えていくのが嫌じゃな‥‥‥って思ってな」
「えっ?そ、そう?綺麗かしら。もーーーッ!
綺麗だなんて言われたら、私恥ずかしいじゃない!!」
「またそう言う所も―――――――」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥何かイチャイチャとしている。
「おばちゃん達は“
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