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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-8 74層攻略
Story8-13 鈍色の殺意と速さの代償
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様に、細く美しい剣を操る白い天使。
暫くキリトは思わず見惚れていた。
「ぬあぁぁ!くぁぁぁっ!!」
半ば恐慌を来たし、無茶苦茶に振り回すクラディールの剣は掠りもしない。
見る見る内にHPバーが減少し、続けて赤へと突入していた所で、剣を投げ出し両手を挙げて喚いた。
「わ、解った!!解ったよ!!オレが悪かった!!」
そのまま、クラディールは、武器を落とし地面を這い蹲った。
「も、もうギルドは辞める!!アンタ達の前にも二度と現れねえよ!だからーー!」
甲高い叫び声をアスナは黙って聞いていた。
だが、ゆっくりと細剣を掲げ、手のひらの中でかしゃりと逆手に持ち換えられた。
自身の愛する人を、そして仲間だった人に手をかける相手に慈悲など必要あるのだろうか。
アスナの右手が強張り、さらに数cm振り上げられ、一気に突き立てようとした瞬間。
殺人者が一際甲高い悲鳴を発した。
「ひぃぃぃぃぃぃ!!!死に、死にたくねぇぇぇ――――ッ!!」
その言葉を聞いた瞬間、見えない障壁にぶつかったかのように切っ先が止まった。
その細い身体がぶるぶると激しく震えていた。
その言葉は、これまでに何度も聞いた事がある。
アスナはこの時葛藤をしていた。
だが、その葛藤はこの場ではマイナスにしか働かなかった。
その瞬間を強かに狙っていたからだ。
「ッッヒャアアアア!!!」
土下座していたクラディールがいつの間にか握りなおしていた大剣を突如奇声と共に振り上げたのだ。
金属音と共にアスナの右手からレイピアが弾かれた。
「あっ!?」
短い悲鳴を漏らし、体勢を崩すアスナの頭上でぎらりと金属が輝いた。
「アアアア甘ぇぇんだよぉぉぉ!!!副団長様よぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
狂気を滲ませながら絶叫と、どす黒い赤のライトエフェクトを撒き散らしながらクラディールは剣を何のためらいも無く振り下ろしていた。
ガスッ
「くっ…………」
肩口を斬られ2割減ったアスナのHPバーが緑色の枠に点滅する。
「アスナ!!
クラディール、貴様ァァァァ!!!」
「言うの忘れてたなァ……アンタらの麻痺毒、最高レベルの麻痺毒の液体を刀身に塗ってるから40分は動けないぜェ…………」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そんなクラディールにフローラが突っ込む。
ドリームスピナーをめいっぱい大剣に押し込む。
「おやおやァ……第一の獲物が来るとはなァ」
「第一の…………獲物?」
「アンタがKoBにいたころから俺は目をつけてたんだよ。俺が入る前にアンタは抜けちまったけどなァ」
クラディールの狂喜の目がフローラの視線とぶつかる。
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