第150話
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罰術式とは何処の誰だろうが、神様に唾吐くものは許さないという理屈から生まれた術式だ。
しかし、この術式は神様を基準としている。
人間であるヴェントが扱えるのは非常に難しいはずだ。
だが、現実的にヴェントはこの術式を使って学園都市の機能を低下させている。
(さすがは神の右席と名乗るだけの事はあるな。
強力な術式だが、ネタが割れてしまえば簡単だ。)
「よし、原因は分かった。
これから愛穂を治療する。」
安心させるために後ろにいる桔梗にそう言う。
しかし、桔梗が麻生の肩を叩く。
「どうした?」
愛穂から離れ、桔梗に向き合う。
桔梗は言いにくそうな顔をして紙切れを麻生に見せる。
それを見て麻生は眉をひそめた。
「これは・・・・」
「さっき愛穂を見つけた時にプリンターから出てきたの。
これってどういうことなの?」
理由を聞かれ、答えるか否かを考える。
桔梗は打ち止めの開発をしていたりと、裏の世界にいた経験がある。
何より、ここで誤魔化しても桔梗は麻生に聞き続けるだろう。
小さくため息を吐いて麻生は説明した。
「打ち止めが襲われたらしい。
おそらく、学園都市の闇が打ち止めを利用する為だろうな。
一方通行がその闇と戦っている所を警備員に見つかったんだろうな。」
「そんな・・・折角こちら側の世界で暮らして行けると思っていたのに。」
信じられないような顔をして桔梗は言う。
確かにこの話は愛穂に聞かせる事ができない。
彼女は警備員だ。
この事を知れば連れ戻そうと闇に深く関わろうとするはずだ。
顔写真は警備員全体に広がっている筈だ。
もうこちら側には戻ってくる事ができない。
彼はまた闇の世界に戻る事になる。
能力で紙切れを燃やす。
再び愛穂の方に向いてこう言う。
「この事は愛穂に言うな。」
「分かっているわ。
でも、これから彼はどうなると思う。」
「・・・・・・もうあいつを遮る鎖は全部壊れた。
打ち止めを救う為に躊躇いもなく人を殺すだろうな。
そして、もう一度闇の世界に行くはずだ。」
それだけを言って愛穂の肩に触れる。
愛穂の前には麻生が渡したお守りがあった。
それを空いている手で掴んで能力の加護を加える。
そして、首にかけて術式を取り払う。
すると、愛穂はゆっくりと目を開けた。
「う・・・ん・・・」
「愛穂!」
桔梗の声が聞こえ、その方に顔を向ける。
「あれ、桔梗じゃん。
それに恭介も。
ウチ、一体何してたんじゃん。」
頭をぼりぼりとか
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