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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
SAO編 Start my engine and step on blue light in Aincrad
Chapter-7 二人の優しさ
Story7-7 絶望の淵
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な痛みを受けたフローラの目に血飛沫の幻覚が見える。

――このBoss、ペインアブソーバがないの?


部屋の端にうずくまるフローラ。

「……はぁ……はぁ」

セイバースコーピオンの剣が迫ってくる。


フローラは右手で痛むところを押さえながらうまく避ける。


――私……なんで逃げてるんだろう


左手で持ったドリームスピナーをセイバースコーピオンに向けて放つ。

細剣スキル3連撃技〔デルタアタック〕

たいしたダメージは与えられなかった。





しかし、課せられた硬直時間にセイバースコーピオンの右手の剣がフローラの胸元をまた切り裂く。


装備していたチェストプレートが破壊され、HPが注意域に割り込むと共に、純粋な痛みが走る。


――……痛い……痛いよ……


その痛みが判断力、移動速度、動きのキレを低下させる。

「このっ……」

攻撃をしようとするも、剣が迫ってきてなかなかできない。


――私は、やっぱり攻略組のプレイヤーなんだ……

Bossを前にして何もせずにはいられないんだね……

でも……

「もう……無理……」

ガクン


極度の緊張感から、疲れが出てきたフローラ。

シュッ スパン


セイバースコーピオンの口から発射された針がフローラのトレードマークである髪留めリボンを切り裂く。

「くっ」

ガスッ!!

「……ッ!!」


声にならない痛み。

フローラはセイバースコーピオンの尻尾の剣に体を貫かれる。

だんだん、視界も霞みだす。




セイバースコーピオンはフローラを真上に放りあげると左手の鋏で掴んだ。

ギシギシ

「うああ……」








そこにキリトたちがやってくる。

「フローラ!!抵抗しろって!!

お前死ぬぞ!!」

「フローラ!死なないでよ!!

こんなところで死なないで!!」

「私は、もう生きたくない……


ここで、死ぬんだ」

鋏により減り続けるフローラのHPは、すでに危険域に入っていた。

「「フローラーーー!!!」」

キリトたちが駆け出そうとしたその瞬間













蒼藍の光が、場を切り裂いた。











フローラはセイバースコーピオンの鋏から解放され、HPを回復される。


前髪を払い、顔をあげたその先には……


「遅くなった」


「……」

「俺は絶対にお前を残して死んだりしないし、お前を嫌いになんてならない。
それはあの日からずっと決めてることだ。



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