やって来た依頼主
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と入りずらくなるし。
「ただいま」
「おや、お邪魔しているよ拳士君」
「お帰り拳士。
円くんならまだ帰ってきていない。
良かったら彼の話を聞いて待っていると良い」
白々しくも明るく出迎える二人。
この野郎…俺が居ることに気づいてやがったな。
「取り合えず、話を聞きます」
「助かるよ」
俺は菊岡さんに向かい合うように椅子に座る。
「さて、実はだね…」
そう言って菊岡さんは話し出す。
事の始まりは今年の11月14日に一人の男がアパートの一室で死んでいるのが見つかったらしい。
横たわる仏の頭部にはナーヴギアの後継機であるアミュスフィアが装着されていたそうだ。
「ん、別に珍しくはないと思うが…大方断食状態で潜りっぱなしだったとか?」
「確かにそう言ったケースも少なくはない。
しかし、この被害者は二日間だけログインしていたことが解っている」
……被害者?
「誰かに殺されたって事か?」
「話が早いね。だけど厳密には被害者かもしれないと言うことだよ。
彼の身体には外傷が見当たらなかった」
「……ならやっぱり栄養失調?」
「……彼のアミュスフィアにインストールされていたのは『ガンゲイル・オンライン』と呼ばれる物だが、知ってるかい?」
「いや、知らな………ああ、ついさっき知ったな」
正確には教えられたんだが。
優一。お前はエスパーか。原作知識ですね、はい。
「ガンゲイル・オンライン。通称GGOで、彼は10月に行われた最強王者決定戦に参加して優勝したらしい。PNはゼクシード」
「……最強、ね。
もしもそのゼクシードが殺されたのだとしたら加害者は恨みを持っていた線が高いな。
恐らくそれは現実ではなく仮想で」
「…ふむ。
死亡推定時刻から統計して、彼はその日にMMOストリームという番組に出演していたことが判明していてね…ここからが本題なんだが。
同時刻、GGO内で妙なことがあったとブログに書いていたユーザーがいてね…。
とある酒場にて問題があった時刻におかしな行動をしたプレイヤーがいたらしい」
「プレイヤー?
その行動って言うのは?」
「なんでも、テレビのゼクシード氏に向かって拳銃を向けて「裁きを受けろ」等と叫んで銃を発射したとの事だ」
「それで…当の本人は死んでいた、と」
「その通り。
その時偶々録音していたプレイヤーがいて、ネットにアップロードされていた。
銃を発射したプレイヤーは自らを死銃と名乗ったそうだ」
「死銃……デス・ガンねぇ…」
大層な名前だとは思う。だが、確かに人が死んでいる事には偶然とは思えない何かがある。
まさかとは思うが、転生者だ
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