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『曹徳の奮闘記』改訂版
第五十七話
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双がそんな簡単に負傷して軍を撤退させるはずかないだろうッ!!」

 周瑜が孫策に具申をする。

「分かっているわ。だから調べる必要がある。明命も行方不明。なら………」

「………分かった。ただし、危険と思ったら直ぐに撤退する事。いいわね?」

「ありがとう冥琳」

 孫策は周瑜にそう言って、追撃を開始した。





「急げッ!! 早くしないと孫策軍が来るぞッ!!」

 城門のところには星が指揮をしていた。

「おや主。手当ては済んだのですか?」

「まぁな。けど、わざと倒れたのに怪我をするとは思わなかったぞ」

 俺は包帯が巻かれた左腕の上腕を見た。

 わざと倒れて撤退する時、星におんぶされて戻ろうとしたんだが、その途中で流れ矢が左腕の上腕に刺さった。

 ………まさかふりのはずが怪我するとはな………。

「隊長ッ!! 全兵士、城に入りましたッ!!」

 伝令の兵士が報告してきた。

「よし、城門は締めろ」

「はい」

 城門は直ぐに締められて、俺と星は上に移動する。

「状況は………と」

「もうすぐ奴等は地に落ちますな」

「そうだな」

 星の言葉に俺は頷いた。

『ウワァァァァァーーーッ!!』

 孫策軍は何も知らずに突撃をしてくる。

「??」

 孫策は城に閉じ籠った袁術軍を見て不審に思った。

ゾクゥッ!!

 その瞬間、孫策は背中に冷たい何かを感じた。

「全隊止まれェッ!!」

 孫策はそう叫んだ。

 しかし、急には止まれない。

ズボッ!!

 何かが孫策の耳に聞こえた瞬間、突き進んでいた前方の兵士達が一斉に姿を消した。







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