二十四話:ご利用は計画的にな
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気づいていて敢えて何も言わなかったけど、二人が醸し出す空気は一般人のそれじゃない。イリナの方はまだ柔らかいけど、ゼノヴィアの出す空気は明らかに戦いを知っている人間のそれだ。
「……一つ質問していいか、ルドガー・ウィル・クルスニク。君は何者だ?」
「質問の割には随分と物騒だな」
「なっ!?」
俺のことを怪しんで恐らくは武器それも大剣と思われる包に手を置きながら聞いてくるゼノヴィア。それを俺は瞬間的に回り込みその手を軽く抑える。
そのことに驚いて驚愕の表情を浮かべるゼノヴィア。
イリナもそんな俺の動きを見て警戒心を高めて俺から距離を取る。
そんな二人に俺は優しく微笑みかけ、ゼノヴィアの手を離す。
「イッセーが来たら話すよ。どうせあいつも二人に用があるんだろうし。それと二人の身の安全は俺の誇りにかけて保障するよ」
「私達に信用しろと?」
まだ、俺の事を警戒した様子で口を開くゼノヴィア。
イリナもゼノヴィア程ではないが俺に対して警戒した様子だ。
……仕方ない、出来れば使いたくない方法だったけど、使うしかないか。
人の弱みに付け込むようなことは趣味じゃないけど別に悪い事をしようってわけじゃないから許してくれ。俺は息を大きく吸い込んで警戒した様子の二人に向けて口を開く。
「出て行ってもいいけど、その場合は食事代を払ってもらうぞ」
「「うっ!?」」
俺が食事代を請求すると、鬼、外道といった感じの視線を俺に送りながら席に座りなおす二人。別に払わせる気なんてないけどこういう事に使うのはいいよな?
俺もかつて通った道だ。だから、そんな目で見ないでくれ。
それにしても…やっぱり、お金は大切だな、うん。
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