二十四話:ご利用は計画的にな
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ていたのだ。
そしてイッセーの怒りは自分に対する怒りでもあった。木場にしてもルドガーにしても仲間である自分に頼ってくれない。それは自分が弱いからだと、彼は弱い自分に対しても怒りを抱いていたのだ。しかし、そのことに悩んでいた彼だが今は吹っ切れていた。
話さないのなら無理やりにでも話させてしまえばいいと。話さないこいつらが悪いのだと。
そして決めた。そっちがそうなら殴ってでも本音を言わせると。
「わかんねえ……わかんねえよ!
おまえみたいに黙ってたら、何にもわかりっこねえだろうが!」
「何を言えと言うんだい!」
「かっこつけてんじゃねえ! 苦しいんなら苦しいって言えよ!
つらいんならつらいって言えよ! 助けて欲しいなら助けて欲しいって言えよ!!
俺達―――仲間だろうが!!」
再び、殴り飛ばされる木場。崩れ落ちながら木場はその時初めて彼の拳が痛いと思った。
肉体ではなく自分の心そのものを殴り飛ばされたのかのような痛みだった。
その痛みに……その優しさに木場は涙が止まらなかった。
今まで頼ってはいけないと、一人で立ち向かわなければならないとずっと思っていた……。
それを彼はふざけるなと殴り飛ばしてくれた。自分達を頼らないことに怒ってくれた。
そのことが堪らなく嬉しくて木場は泣いた。
「言え、“祐斗”! 俺に、俺達にして欲しいことは何だ! お前の本当の気持ちを言え!」
「………僕を…助けてくれないかい…?」
今までずっと隠してきた本音を祐斗は言った。本当は彼だって辛かったのだ。
ずっと復讐の為に生きて来た彼も本当は誰かに助けて欲しかった。
一人でいることなんて耐えられるはずがなかった。
そして、それを聞いたイッセーはニイッと笑い、倒れた彼に手を差し伸べた。
その笑みはやっと仲間が自分に本音を言ってくれた嬉しさからと、自分が一つだけ強くなれたような気がしたという嬉しさからだった。
「当たり前だろ!」
その手を祐斗は力強く握り返した。
「はあ……仕方ないわね……朱乃、あなたは今何か見たかしら?」
「いいえ、何も見ていませんよ。そう言う部長は?」
「私も何も見ていないし、聞いてもいないわ」
リアスはその様子を見て、溜息をつくと、直ぐに誰が見ても芝居だと分かる演技を始める。
その意思をくみ取って彼女の『女王』である朱乃も白々しい演技を始める。
本来なら『王』であるリアスは彼等がこれから行おうとしていることを止めなければならない。
下手すれば簡単に命が消えるとんでもないことに彼等は首を突っ込もうとしているからだ。
しかし、彼女は敢えて見て見ぬふりをすることに決めた。
それは、自分がどれだけ頑
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