インベーティング:虚ろな少年と覚悟を決めた王
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半年前ーーー
ライトは私達が寝ている間に最上階にてキリト達と共に最高司祭、アドミニストレータを討った。
しかし、私達が最上階で見たものは、傷付き倒れたライト、キリト、ユージオ、それを治すもう一人の最高司祭、カーディナル様、そしてアリス・シンセシス・サーティ。
私達もライトの所へ行ったが、その目は虚ろで、何も映しては居なかった。
それから、私達の行動は速かった。
すぐにドラグレイダーをアドベントし、レイグルの村へと飛んだ。
私達の母、アリシア・エルステールなら何か解るかも知れないと思ったからだ。
二年半振りに帰ったレイグルの村では、アリシアが迎え入れ、すぐにライトの事を預け、私達は家にずっといた。
ーーーそれから月日が立ち、半年。
ライトは、一向に目を覚まさなかった。
ユイリSide
「……ライト」
私は、ライトの車イスを押しながら、レイグルの村を徘徊していた。
村の皆はライトを心配してくれては居るが、半年経った今でも、ライトは目覚める気配が無い。
「……お母様はベルトの使いすぎによる副作用って言ってたけど……絶対違うよね……」
私には解った。ライトは変身による副作用で目を覚まさないのでは無く、別の外的要因による昏睡状態に陥っていると言うことを。
お母様は私とユリアに気を使ってそう言ってくれたが、この先、ライトが目を覚ます可能性は皆無と思っても良い。
暫く押し歩くと、レイグルの村の外の広場に出た。
「ほら、ライト。……これが、ライトが守りたかった世界……平和な世界だよ?」
そういっても、ライトは目を覚まさず、また、何も言わない。
食べ物も口にせず、ただ寝ているだけ。それが今のライトの現状だった。
髪はあの漆黒の黒から、蒼い髪に白と翡翠色の髪が混ざっており、元の面影を少しも残してはいない。
「……帰ろっか、ライト」
私はライトの車イスを押して、家までの道を歩くと、何やら騒がしい声が聞こえた。
「だーかーらー!!お姉様に何でもかんでも押し付けないでよ!!」
「押し付けて居らんわ!!頼んでおるじゃろうに!!」
……また来たのね。
私は心の中で溜め息を付くと、家の前まで移動する。
「何か御用ですか、ルインさん?」
「お姉様!」
ユリアがそう言うと、ルインさんが此方を向く。
「おお、ユイリか!」
「……ルインさん、今私はなにもしないと仰って置いた筈ですが」
「いやぁ、そうなんじゃが、此方でもどうしようもない樹が現れてのぅ……済まんが手伝ってくれんか?」
「お姉様、そんなぽっちゃり親父の事を聴いては行けません!!」
フンスッ!と息を荒くユリアが言う。昔から嫌いだった事も在るのか、相当な毛嫌いをしている。
「なんじゃと、この小娘が!!」
「何よ!
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