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俺の名はシャルル・フェニックス
猫と不死鳥
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位欠損をすると再生は出来なかった。

元の部位、例えば腕を切り落とされたとして、その腕をくっつけて涙をかければつながることはできた。

けれど腕自体が無くなってしまえば再生することは出来なかった。

けれどフェニックスの宝涙はそれをも可能とする。

市場ではフェニックスの涙よりも桁が1つはつくほどの超激レアアイテム。

それが10個。

欲深い悪魔なら喉から手が出るほど欲しいものだ。

「まさかそれら全てですか……?」

ごくっと欲望にまみれた唾を飲み込み震えた声をだす。

「ああ、フェニックス家の名に誓ってな。
まず猫ショウの姉妹の身柄を此方にわたしてくれるのなら、この10個を渡そう。
そして俺が悪魔の駒を貰った時に僧侶の駒二つとともにもう10個、フェニックスの宝涙を渡す。
それでどうだ?」

男の瞳が揺れる。

迷ってるのだろう。まぁ、予定通りだ。

「まぁ、俺も未来の眷属足り得るのか実力がみたいからな」

ここでぐぅっと身をのりだしてピンッと男の目の前で人差し指をつきだす。

「ここで一つ模擬戦をしてみよう。
卿の屋敷の前に俺の眷属候補を待たせている。
まだ悪魔の駒で転生させていない人間だ。
それに勝てるのならば眷属としてどうしても欲しいからな。
宝涙の個数を倍にしよう。
どうだ?」

「わかりました!」

男は顔を興奮で赤く染め、上ずった声で肯定した。

男の中では人間が悪魔に勝てるわけがないから宝涙は40個は確実。

上手く交渉出来ればそれよりも多く売りつけられるだろう、と考えているのだろう。

だが、俺はあえて言ってやろう。

俺の勝ちだ。

恋は既に下級悪魔でも上位レベルだからな。



試合はあっさりと終わった。

まず黒歌が妖力を込めた球を打ち出した。

それを恋が避け、方天画戟を喉元に向けて終了。

実に呆気なかったがまだ黒歌も幼女から少女の間くらいであるから原作ほどの力はまだない。

それに悪魔になってからまだ1、2ヶ月くらいらしいしな。

「ふん、この程度か。
期待外れだな」

わざと全員に聞こえるように言う。

その言葉に男が青ざめた顔になり、負けて座り込んでいる黒歌を睨む。

黒歌のせいで取引がご破算になると思ったらしい。

つくづく気にいらん男だなコイツは。

「だが、まぁ、20個となら交換してやらんでもない。
どうだ?
いい交渉だと思うが……」

「そ、それでお願いします……」

まさか成立するとは思わなかったらしく、すんなりと了承された。

他愛ないな。

模擬戦をした所から交渉をした応接室らしき場所に再び移動した。

今度は恋も連れている。

黒歌
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