マブラヴ
0882話
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「はい。何でも急な用事が入ったとかで、自分は行けなくなったから私だけでもと」
「……ふむ」
色々と妙なところはある。そもそも、前もって恭子と約束していた崇継が、急に何か用事が出来て来られなくなったというのは違和感がある。
いや、斑鳩家当主ともなれば突発的な事がないとは言えないか?
花見の時に聞いた話では、斑鳩家と崇宰家というのは非常に親しいらしい。だからこそ、この2人も同年代って事でそれなりに親しいんだろうが……
となると、わざと恭子だけをこの場に押し込みたかった? 何故?
幾ら2人の家が親しいとは言っても、崇宰家だけがシャドウミラーと接近しすぎるのを黙って見過ごす程に甘くは無いだろう。
だが……
「まぁ、来てしまったのをここで帰れとも言えないしな。そもそも、その辺は俺じゃなくて夕呼が仕切る事だし。どうするんだ?」
「どうするも何も、崇宰家の方に向かって失礼な事は言えないわよ。……恭子様、もしよろしければ、今日の模擬演習を見ていって下さい。恭子様は鬼姫と呼ばれる程に戦術機の操縦に長けているお方と聞きます。A-01連隊の者達は恭子様程に優れた技量はまだありませんが、それでも少しでも何か思うところがあれば教えて貰えると助かります」
……なるほど。崇宰家の人間では無く斯衛軍のパイロットとしてアドバイスを求めるか。
それならまだ、どうにか言い繕う事は出来そうだしな。
にしても、崇継……本当に何を考えてるんだ?
「ええ、私もA-01連隊の活躍を期待しています」
ニコリと笑みを浮かべてそう告げる恭子に、何故か俺の隣にいたスティングの頬が赤くなる。
……おい。いやまぁ、その気持ちは分からないでもないけどな。
ともあれ恭子に関する話はそこで一段落し、その後ピアティフの案内によって部屋を出て行く。
それを見送った夕呼は、恭子の姿が消えた途端溜息を吐き出す。
「あー……参ったわね。まさかここで崇宰家が出てくるなんて。正直、あんた達に関わってから、あたしの計画が色々と目茶苦茶よ。また後で言い訳しなきゃいけないじゃない」
「言い訳?」
「何でも無いわよ、何でも。……連城、挨拶しなさい」
何かを誤魔化すように夕呼が告げ、連城と呼ばれた20代半ば程の、外見年齢で言えば俺よりも少し上くらいの女がこちらに向かって敬礼してくる。
「初めまして、アクセル・アルマー代表。私はA-01連隊の指揮官を務める連城真弓中佐です」
ビシリとした敬礼に、ハキハキとした言葉遣い。動きやすさを優先しているのだろう短い髪。典型的な軍人だった。
夕呼の虎の子でもあるA-01連隊を任せられるくらいだ。当然有能ではあるんだろう。
「ああ、今日はよろしく頼む。とは言っても模擬戦の相手をするのはこの3人
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