とある家のとある風景
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いにするルパンを差し置いて、コナンは恋也の元に近付き「熱出てたなら、休んだ方が良いと思うよ」っと、子供らしい高い声で恋也に伝える。
「…………」
無言。
聞いていないのかな、と一瞬思ったコナンだが、恋也は聞いているようでコナンの言葉にどう返せば良いのか悩んでいる。
さすがに子供相手に怒鳴るわけにはいかない。
だからといって無視することも出来ない。
その為、無言でいることしかできていない。
「いや、まぁ、そうなんだけど……」
ぽつりぽつりと口を開いていく恋也。
「何ていうか、世紀の大泥棒ルパン三世に変装してもらい、学校のテストを受けてもらうというのが、申し訳ない気持ちで……」
――あぁ、なるほど。
コナンはすぐに理解し、ルパンは知っていたのかそうじゃないのか、さっきから口角を上げて笑みを浮かべているばかりだ。
自分から変装すると言っているので、申し訳ないと思う気持ちは必要ないのかも知れないが、六条道恋也という少年は、誰かに頼るというのを基本的に避けてきていた為か、自分の代わりに何かをされるという事に抵抗があるようだ。
「って、言うより。僕は良いけど、恋也兄ちゃん行くなら早く準備しないと間に合わないんじゃない?」
ほら、と時計を指差しながら言うコナンの先には6時45分と示されている、現代的なデジタル時計が日時を表示しており、今まさに46分の文字に切り替わった。
「ありゃりゃ……此処は俺様が行くしかねーな」
「……満点取らなかったらタコ食わすからな」
「あらま、結構厳しいねぇ〜」
茶化すように手を広げては、表情が悟られないように笑みを繕っているが、恋也にしてみれば結構脅せているのだと、実感している。
その時の表情は出さず、日本で建っている割りにはどうにもアメリカや外国をイメージする家の内装の中に居る、ルパンを見つめて、恋也は人を騙す時に使う笑みを浮かべる。
自身に親指を向けて、勢いよく、胸のど真ん中に突き刺すように持ってくれば、笑みを浮かべながら、こう告げる。
「騙しは俺の特権で、指輪みたいなもんだ」
っと。
その時の表情は狐に似ていたと、後々コナンとルパンが話しているのは、恋也は知らない。
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