第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Ath nGabla』 U
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に白い修道帽を被る少女、インデックスが。
「う……インデックス……俺は何日寝てた、今日は何日だ?」
そのインデックスに、当麻は夢の言葉を思い出しながら問うた。まだ痛む体を起こし、辺りを窺うように。胸を突く焦燥に、後押しされるように。
「えっとね、三日。わたしがお世話してあげてたんだよ」
「三日────今日がその日か!」
「ご飯食べる? さっきね、こーじが……って、どうしたの、とうま!」
そして、今度こそ立ち上がる。今度こそ、焦燥に突き動かされて。食べさせようと弁当を持ってきたインデックスに見向きもしないで。何か当てが有る訳でもないと言うのに、カッターシャツを羽織りスラックスを穿きながら。
外界へと歩み出るべく、扉を開こうとして────開けない事に気付く。まるで外側から、セメントで塗り固められてしまったかのように。鍵もされていないのに、扉はびくともしない。
「なんだ、これ……くそっ、だったら!」
理不尽な出来事に、ツンツン頭を掻き毟って。それならばと、彼は窓を目指して引き戸を引いた。
その先には、コールタールのような漆黒の壁。一切の光を見せない、真の闇の壁が行く手を遮る。
それを、当麻は“右手”で殴り付けて。
「…………ホントに、何なんだよ!」
揺らぎもしないそれに、苛立たしげに悪態を吐いた。
「魔術……空間を切り離す“魔陣”なんだよ。きっと、こーじが仕掛けてったんだ」
「こーじ……それ、誰だ?」
それを眺めていたインデックスが、合点のいった顔で呟いた。弁当の下から剥がれ落ちた、貼り付けられていたルーンカードを見遣りながら。そこで漸く、当麻は聞き慣れない名前が出ている事に気付いて。
「魔術使い、だよ。とうまを助けてくれた人……あと、ご飯もいっぱいくれたんだよ!」
「そうか……って、じゃあその人はまさか……!」
それが、自分達を守る為ならば涙が出るような話。しかし、今まで出会った魔術士が魔術士だ、逃がさないように自分達を閉じ込める為と当麻見たのも無理はないだろう。
何としても外に出ると、その一念を定めた彼は。
「『陣』って言うからには、そのカードのルーンとか言うのを向こうにすれば良いんだな?」
「え、うん……だけど、これは一度発動したら全部消されるまで消えないと思うんだよ」
「よし、それじゃあその『こーじ』が触った場所を教えてくれ!」
仕掛けられた『基点』を探して、部屋を巡る。先ずは卓袱台、その下に一枚。次いで冷蔵庫、その中にも一枚。窓の外側にも一枚、黒塗りの面を見せてカモフラージュしたものが。
インデックスの『完全記憶』を持ってすれば、造作もない
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