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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
29.Jury・Night:『Ath nGabla』 U
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宗”で炎剣を受け止めた。それでも、輻射熱でジリジリと装甲が()かれている実感がある。
 ()()()()の神経細胞への分化により張り巡らせた擬似的な触覚の再現、装甲を皮膚に見立てた神経伝達を行っている為だ。


(……おい、なんか装甲が焼けてる気がするんだが)
呵呵(かっか)、“這い寄る混沌”の属性に加えて(わらわ)の末路的に火は飛び切りの弱点じゃ。食らえば只では済まぬぞ?》
(巫山戯んな、どんな愛憎模様だ! あんなに燃やせ燃やせ言ってただろ!)
《燃やすのは好きなんじゃがの、燃えるのは勘弁じゃ》


 その魔術に対抗し、結構な生命力を消費して魔力に昇華しながら。底冷えするかのような震えはその為か、もしも嚆矢の能力(スキル)が『確率使い(エンカウンター)』でなければ今頃は頓死している頃合。
 まぁ、それでも最低限の反動(ダメージ)は蓄積している。()()()()()()生命力を蝕まれるこの鎧、そして()()()()()を必要とするショゴス。
 酷い二日酔いのような、不快な疼痛が脳髄全体に絡み付いている。この調子でいけば、あと二十分と持つまい。


灰は灰に(Ash To Ash)────塵は塵に(Dust To Dust)────吸血殺しの(Squeamish Bloody)紅十字(Rood)!!!」


 駄目押しの、炎剣二本目。それを────


空間転移(ディメンション)反転(ネガ)!》


 向けた肩部装甲板、胸部装甲の次に強固な装甲板を向けて。其処に在る発振器から発する空間の()()()()により、紅蓮の十字架を()()()()()()()して。


「よく防ぐ……流石はかつての徳川将軍家剣術、柳生石舟斎の剣と言ったところですか」
「確かに……それに、大した魔術防御だ。まるで『カーテナ=セカンド』じみた性能だな」


 差し込まれた空間に、熱量を維持する事を諦めた炎剣が消える。命拾いと共に、更なる危地は直ぐ其処に。
 再度、刃を鞘に納めた火織の姿。縦に構えた抜刀術は、多少知る『田宮流居合術(タミヤリュウイアイジュツ)』とも『林崎神明夢想流(ハヤシザキシンメイムソウリュウ)抜刀術(バットウジュツ)』とも違う。余程マイナーな流派か、或いは我流か。
 何にせよ、()()。あれならば────確証も無しに、確信する。


(短期決戦……以外にはねェな、やっぱり)


 否、そもそもの前提が間違い。対するは()()()()()()|二《・
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