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疾走する『思い』
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待ち合わせ場所
「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
ウェイターが頭を下げ、駆け寄ってくる。
ユキはいえ、待ち合わせですと言うと、静かな店内で無遠慮な大きな声が響いた。
「おーい、ユキ君!」
声のした方向を見れば、ニコニコとした男が席に座っている。
「・・・き・く・お・か・サァン・・・」
近付いて席につくと、菊岡は今日は僕の奢りだと言った。
「・・・そうですか」
ユキは菊岡が嫌いだ。
最初は感じのいい人だな、と思ったが、裏があることがすぐにわかった。
ユキはミルフィーユとコーヒーを頼み、菊岡との話を始める。
「で?何の用ですか?」
「君に頼まれてほしいことがある」
菊岡は何処からかパソコンを取出し、ユキの方へと向けた。
「・・・誰ですか?コレ・・・」
目の前に表示されたのは、一人の男。
黒い黒衣を着て、その眼は赤く光っている。
「君に彼を斃してほしい」
「・・・なぜ?」
「詳細はそこに書いてある文を見てもらえると助かる」
ユキはすぐに文を一瞥し、菊岡に向き直る。
そこに、ミルフィーユとコーヒーががやって来た。
ユキはコーヒーを飲み、口を湿らせる。
「・・・殺人犯ですね。少なくとも移動役とか二人必要ではないのですか?」
「へぇ、君もそう思うか・・・」
「報酬は?」
「600メガコルでどうだい?」
「いいでしょう」
ユキは承諾し、ミルフィーユを一口食べた。
「あ、そうそう」
菊岡はユキに言ってはいけない一言を漏らした。
「キリト君も行くから」
ユキはケーキを食べる手を止めた。
「今・・・なんて言いました、アンタ」
「キリト君も一緒って言ったんだよ」
「ふざけるなよ・・・アンタ!!」
ユキは店内で叫んだ。非常識なのはわかっている。
それでも、怒りを抑えきれなかった。
「こんな危険なことに、あの人を巻き込んだのか!?」
ユキの顔に、黄金の神経が浮かび上がり始める。
「いい加減にしろ!これ以上、アンタのエゴに人を巻き込むな!!」
フォークをミルフィーユに突き刺すと、底の皿ごとフォークが壊れた。
ユキはそのまま店を出て、香の朝食などを作るため、家に向かった。
研究所
ユキが菊岡と話してから三日が立った。
ライトはただ、ボーっとしていた。
友を救えぬ、無力な自分。掌を見つめていると、一人の男が、ライトに話しかけた。
「君がライトか?」
「・・・ああ。アンタは?」
力なく返事を返したライトに、男は笑ってライトの背中を叩いた。
「
村
(
むら
)
雨
(
さめ
)
良(りょ
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