第11話 聖人来る
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…」
「でも、最近は七王のうちの『女王』が『道化師』と小競り合いを起こしているって聞きましたが」
「ええ、その通りよ薫。現在ロシアで『女王』の配下と『道化師』の配下が戦争中。多分その二つの軍勢のほうはしばらく動かないと思うけど…」
あくまでも希望的観測なのかちぃさんの言葉はあまり歯切れがよくない。
「やはりどこかが手を出してくることに変わりはない、ということか」
「ええ。厄介なことになるかもしれません」
「なに、元々この土地はそういう(・・・・)所だ。今更だよ」
「…わかりました」
ちぃさんはまだ何か言いたそうだったが元治さんが目でこの話はもうここまでだと語っていたようで素直に引き下がった。
その後、しばらく談笑をしてその場はお開きになった。
〜翌日〜
神咲家における非公式会談の翌日、一日休日をはさんで学校のある平日。
「いってらっしゃい、朔也」
「じゃあ、行ってきま…す?」
学校に行こうと思って扉を開けたら、
「ああ、ここですね兄さん。案内ご苦労様です」
「すまない。俺にはコイツを止められなかったよ」
銀髪の男女がいた。男の方はは見知った人物でこの間の件で一緒だった神父それに加えて10代前半くらいの銀髪の少女だった。
「って、どうしたんですかレオ神父!?」
一番問題だったのは男のほう、レオ神父がぐるぐる巻きに縛られていることだった。
「それは「ややこしくなるので兄さんは黙っていてください」フゴォ!」
「や、あんたの行動が一番ややこしくしとるわ!」
銀髪の俺よりいくらか年上の少女に蹴り飛ばされて悶絶する神父…不憫だ。
「ああ、アナタが。どうも私教会所属の聖人(・・)マリア・ブロウニングと申します。この度死にぞこないのジジ、いえ教皇をおどしてペーパー未満ド素人以下聖人のあなたの護衛兼調教に参りました」
「はぁ?」
「言葉も分からないんですか?いえ、それくらいは許してあげましょう。私は寛容ですからね。そもそも犬に言語の理解を期待してませんでしたから」
という言葉と心底馬鹿にしたような少女…マリアの態度に、
「こ、コイツ…」
めちゃくちゃ神経を逆なでられてキレる寸前まで来ていた。
「あら、情けない。この程度我慢できないのですか?ああやはり犬なだけはありますね」
「(ピクピク)」
「いかん、朔也。コイツの言葉に耳を貸すな…」
「お黙りなさい」
「フゴ!」
またしてもシスターに撃沈される神父。憐れな。
「で、なんの用だよ一体?」
「驚きました」
と言って本当に驚いたような顔をするマリア。
「なにが?」
「犬だと思っていたら鳥だったんですね
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