第11話 聖人来る
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す。
「あ、サクヤ君大丈夫?」
トウカが俺の様子に気がついたのか尋ねてきたので疑問を口にしてみる。
「問題ない。ただ空気が変わったような気がして…」
「それは結界だよ」
「結界?」
「そう。家は異形が入ってこないように鬼祓いの結界を張ってあるの。多分サクヤ君の感じた違和感もそれだと思うよ」
「なるほど。さすがは退魔師の家ってところか」
「ふふ、それほどでもないですよ」
と雑談を交わしていたら目的の部屋に着いたようで通される。そこには神崎家の人であろう方々がいた。
「まあ、座ってください」
「失礼します」
と、机をはさんで神咲家とは逆側にちぃさんと並んで座る。
「元気そうで何よりね。薫、那美ちゃん」
「ええ、この間はご迷惑をおかけしましたがこの通り感知しました」
「とは言っても、お医者さんからは激しい運動はまだ止められてるんですけどね」
先に待っていた二人にちぃさんが声をかけた。二人とも知り合いのようだ。
「薫、那美。積もる話もあるだろうが、まずは本題に入ってしまおう」
「「はい」」
お姉さん方も談笑をやめて真面目な顔つきになる。
「今一度確認するが千秋君、彼…朔也君が聖痕をその身に宿したと言うのは事実かな?」
「ええ。朔也」
「はい」
あまり見せるのは好きではないが、仕方がない。胸に刻まれた聖痕を見せると全員が息を呑んだ。もういいかと視線でちぃさんに問いかけると首肯が帰ってきたので再び服の中にしまう。
「事実のようだな。この件は既に教会の連中に伝わっているのだろう?」
「ええ、その通りです。聖痕を宿した事件にはレオンハルト特務審問官もおりましたので」
「そうか。まあ、あの男は教会連中の中でも比較的まともな部類だ。人でなしの代行者が出張ってこない分まだマシだろう」
「彼の話では教皇にも強引に引き込む意志はないとのことですが、それよりも問題なのは」
「『星辰の七王(アストラル・セブンス)』か」
ため息混じりに元治さんが彼らの名をはく。
「今のところは動きは見えませんが事が露見するのは時間の問題だと思います」
「それはつまり遠くない未来、この海鳴に七王やその眷属たちがやってくるということか。比較的穏健な『剣姫』ならまだいいが…」
「『炎帝』や『戦王』が出張ってくることは考えたくないですね。特に『戦王』が来訪したらこの町はひとたまりもない」
どんどん空気が悪いほうへと向かって行ってる気がする。それほどまでに状況は悪いのか。
「尤も王自ら出てくることは早々ないだろうが、眷属の幹部が出張ってくる可能性はあるだろうな」
「そうなった場合応戦することになりそうですけど
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