第三十六話 古都においてその十二
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「ここはまた特別なのよ」
「貴族、お公家さんの謀略劇とかもあったんだよな」
「そうそう、源氏物語でもね」
そうした政争の場面がある、それで源氏の君は須磨に流されたこともあるのだ。
「あったから」
「そうだよな」
「そういえばその源氏物語でも」
桜が言って来た、今度は。
「幽霊が出ていましたね」
「あの古典でもか」
「はい、生霊が」
こちらも幽霊になる、幽霊というものは死霊と生霊があり生霊は生きている者の霊魂が身体から出て来るものだ。
「他には死霊も」
「やっぱり幽霊出て来るんだな」
「平家物語にも出て来ますよ」
「古典って幽霊多いんだな」
「京都を舞台にしていると多いですね」
実際に、という桜だった。
「やはり」
「滅茶苦茶多いみたいだな」
「そうですね、何かと出て来ますから」
「だからだよな」
「そうです、、そして」
ここでだ、桜は自分達から見て左手に顔をやった。すると。
そこに鈴蘭と黒蘭がいた、そしてだった。
二人は微笑んでだ。薊達にこう言った。
「ここでも一緒になったわね」
「本当に私達は縁があるわね」
「そうね、面白い位にね」
縁があるとだ、菫が二人に応えた。
「縁があるわね」
「私達は嵐山のホテルにいるわ」
「そして貴女達もかしら」
「ええ、旅館だけれどね」
旅館とホテルの違いはある、それでもと言う菫だった。
「嵐山にいるわ」
「そうよね、そして次は奈良」
「そうなっているのかしら」
「ついでに言うと最後は大阪だぜ」
薊が笑顔で答えた。
「そこまで一緒だよな」
「そうよ、京都の次はね」
「そのルートよ」
その通りだと返す二人だった、そこまで同じだった。
そのことを話してだ、薊はそこにいる全員に笑顔でこう言った。
「じゃあ奈良とか大阪でも皆で楽しくやるか」
「そうね、この京都でもね」
裕香がその薊に微笑んで言葉を返した。
「九人で一緒に楽しもうね」
「そうしような、これで先輩がいればな」
薊は智和のことについても言及した。
「全員だな」
「そうね、ただ先輩は受験生だから」
「夏休みは何処も行けないか」
「うん、勉強しないといけないから」
受験勉強である、このことはどうしても離れられない。
「だからね」
「だいな、けれどもう先輩進学決まってるんだろ?」
「うちの大学の医学部ね」
「そうだよ、無効からスカウト来たらしいから」
「そうだけれどね、それでもね」
「勉強はしないといけないか」
「一応テストはあるみたいよ」
入試テスト、それに他ならない。
「だからね」
「どうしてもか」
「そう、勉強はね」
「しないといけないんだな」
「先輩って完璧主義者だし」
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