決別
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あの洞窟から抜け出した翌日、自分のみに何が起きたのか考えた。
なぜ、HPが無くなったはずなのに、生きてるのか?そして死んだときノイズが走り、今までと違った感覚になったのか?いろいろな謎があるが、考えてもまったく分からない。こういう時はゲームマスターに聞くらしいが、茅場晶彦によってデスゲーム化した時点でコールできなくなっている。
しばらく、考え込んでいると誰からかメッセージが送られてきた。確認すると、どうやら送り主はキリトのようだ。
「キリトのやつ、何のようなんだ?」
メッセージをタッチして開く。その内容をみて驚いた。
【優、現実の名前を出して悪い。だけど、俺はそんなネットマナーよりいけない過ちを犯してしまった。入ってたギルド《月夜の黒猫団》で仲間を、見殺しにしたんだ。頑張ったが一人も助けられなかったんだ。俺はそのメンバーのリーダー、ケイタっていうリーダーに本当のことを話したら、俺みたいなビーターが僕たちにかかわるな、って言って自殺した。俺はこれからどうしたらいいんだ?】
ゲツガはとにかく、キリトと話しあわないといけないと思い、あまり人の居なさそうな街を指定してメールを返す。
そして、ゲツガは待ち合わせに指定した場所へ急いだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
待ち合わせ場所について五分ぐらいしただろうか、遠くのほうで黒いコートを着たキリトの姿を捉えることができた。しかし、その顔はものすごく暗く、目が淀んで見える。親父が死んで悲しんでいるときのお袋の顔に似ていた。
「……キリト」
その顔を見た瞬間、名前を呼ぶことが精一杯だった。そして、ゲツガにようやく気付いたキリトはあまりにもひどい笑顔で返事をした。
「久しぶりだな、ゲツガ」
とにかく話を聞くために、すぐに酒場の中に入り注文をすると本題に入る。
「キリト……あのメールのこと何だが、詳しく話してくれないか?」
「……」
キリトはしばらく黙り込む。数十秒たってようやく口を開いた。
「……わかった」
そして、キリトの犯した過ちと罪、その内容を聞いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そうだったのか……」
話の内容が想像以上にひどいもので、あまり言葉が出なかった。
「あの時……あの時に俺が……自分がβテスターとさえ言っておけば誰も死ななかったんだ!!」
キリトは、怒りで机を叩き、大きな音を立てた。普通だったら人の目が集中したかもしれないが、人が居ないためにそんなことは起こらなかった。
「そうかも知れない。けどキリト、この世はあまりにも不合理なんだ。その現実を受け止めなくちゃならない」
そう言うと、キリトがガタッ、とすごい勢いで立ち
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