第四章 『再会』
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れもそのはずだ。あの赤い三つの光は、母を殺した仇であり、4年前に自身が封印したはずの、魔界の帝王のものだ。それが復活したのである。
「スパーダの息子」
その時、造物主の声が響き、ダンテにかけられた。
(スパーダ?)
その単語にエヴァンジェリンは引っ掛かったが、造物主の言葉は続いた。
「貴様がここにいるのも一つの因果だ。貴様もこの先へ来るが良い。待っているぞ」
そう言った造物主が、その空間の裂け目へ近づいていく。
「奴め、魔界へ逃げる気か!」
造物主の動きを見たエヴァンジェリンが、そうはさせないと動こうとする。
エヴァンジェリンは、呪いにより麻帆良学園の外には出ることが出来ない。この場所は麻帆良学園と空間的に繋がっているために出てこられたが、このまま魔界 へは行くことは出来ないだろう。そのためにエヴァンジェリンは、造物主が魔界に逃れるより前に決着をつけようとしたのだ。
しかしダンテがエヴァンジェリンの前に手を伸ばし、それを制した。
エヴァンジェリンが、「邪魔だ」と言うようにダンテを睨みつける。実際、エヴァンジェリンにとって、ダンテのその行動は邪魔以外の何物でもなかった。そのままエヴァンジェリンに切り捨てられても、なんらおかしくはない。しかしダンテはエヴァンジェリンに一瞥もくれずに、少し自嘲的な口調で造物主へ口を開いた。
「ここで親父の名前が出てくるとはな。まったく、親父の名前が出てくるときはろくな事がないな」
そして直ぐさまダンテの口調が変わった。飄々としたものでも茶々を入れるものでもなく、真剣な鋭い口調に。また、眼光も一変していた。見る者を魅入り、全てを喰らい尽くしてしまいそうなその目は、まさに“悪魔”のものだ。深淵を体現したその目に、エヴァンジェリンですら一瞬悪寒が走った程だ。
「心配しなくても狩りに行ってやるよ。ムンドゥス共々な」
それを聞いた造物主は僅かに口角を上げた。そして流れ込む魔力の波をものともせずに、明日菜と共に魔界の裂け目へ入っていった。そしてそれに続くように、バージルも、父の故郷である魔界へと消えていった。
造物主やバージルが明日菜と共に居なくなった墓守り人の宮殿では、『白き翼』の面々やエヴァンジェリン達は一度集まっていた。造物主達が魔界へ引き上げた上に、肝心のネギが行動不能なこともあり、今からどうするべきか決めるためでもあった。
しかしエヴァンジェリンは開口一番に、ダンテの素性を問いただしていた。
「まずは貴様の正体を教えろ」
「うむ、敵ではなさそうであるとはいえ、確かに素性くらいは教えて欲しいところでござるな」
ダンテの素性を明かすことについてについて、長瀬楓も同意する。楓だけでなく、ここにいるほとんどの者が、ダンテが
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