第08話 昇天のサバキ
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ねぇ」
サバキは手の中のモノからピンを抜いた。
その瞬間にそれが何かをセキレイは理解した。
『あの形状‥‥‥‥‥‥手榴弾!?』
セキレイは急いでサバキの手からそれを取り上げようとした。
バキッ!!
「ぐはッ!?」
セキレイの腹にサバキの蹴りが入った。
彼はそのまま後ろに飛んで行った。
そこは丁度、吹き抜けのようになっていて
彼は手すりを壊して、そのまま落下を始めた。
先の戦いで体力を消耗しすぎて、多量のエネルギーを使う
″重力無効″はしばらくは使えそうになかった。
「サバキッッ!!」
セキレイは、サバキの方を見ながら叫んだ。
身体は少しずつ重力によって加速を始めていた。
彼は気のせいか、少し嬉しそうに見えた。
そして、少しだけ口を開いた。
お前の生き方を俺は否定しないぜ――――――――
サバキの唇がそう言ったように見えた。
「お前も!おれ達と一緒に自由を取り戻そうッ!!」
セキレイは手を伸ばし必死に叫んだ。
だが、サバキの決意が揺らぐことはなかった。
だが俺は、俺なりに“自由”を手に入れる――――――――
サバキの口がそう動くのを、セキレイは見ていた。
彼の目から涙が流れていた。
それは恐怖ではない。むしろ、歓喜によるものだった。
すぐに行くからな‥‥‥‥‥エリー‥‥‥‥――――――――――――
ドゴォオォォオオォオオォオオオオオオオォオォオォォォォォオオォオオォオ
オォオォオォオォオオォオォォオオオォオォオっォオォオォォォオオォォオオ
オオォオォォォオォォォオオオオォォオォォオオォォオンッッッ!!!!!!
その言葉を最後にサバキの姿は爆発の中に消えた。
「サバキィィィィイイイィィィィイイィィィィィィィィイイイッッ!!!」
落下しながら、セキレイは力の限り叫んだ。
**********
「何!?今の爆発は?」
カツコは後ろを振り返って言った。
二人も爆音のした方を向いた。
そこは丁度セキレイたちが戦っていた方向だった。
「セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥大丈夫かな‥‥‥‥‥」
「心配いらないさ。彼はきっと戻って‥‥‥‥‥うおッ!?」
ジョンが上を見ながら驚いたので二人も上を向いた。
そこからは小さな影が落ちて来ていた。
少しずつ大きくなっていく影を見て、ハトは叫んだ。
「セキレイお兄ちゃんだ!!」
二人もその影の後ろ姿を見て、それがセキレイだと気が付いた。
ドゴオォォォォォォォォォオオオオオンッッ!!
セキレイは″超重堅鋼″を使って
全身を硬くしたまま、すごい勢いで着地した。
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