第08話 昇天のサバキ
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「さぁ、この状況をどうやって打破する?」
サバキは口元を大きく歪めながら叫んだ。
セキレイは糸から抜けるために必死にもがいていた。
「無駄だぜ、お前のパワーでも。糸の張力とテコの原理で
完全に拘束しているからな」
糸は周りの壁に張り付いたり、柱に引っかかったりしていて
セキレイが脱出することが出来ないようになっていた。
「やっぱダメか‥‥‥‥‥」
彼は息を切らしながらつぶやいた。
『″重力無効″は使っても、おれは抜けられないし
アイツは自分の足の裏にでも糸を付けてたら浮かないだろうな。
だが、まさか″超重堅鋼″まで効かないとは‥‥‥‥‥‥』
セキレイの″超技術″、″超重堅鋼″とは
全身を密度の非常に高い超硬質の物体で覆い
肉体の防御力を引き上げるという補助系能力である。
高密度ゆえに硬いが重く、通常は移動さえ困難なほどである。
しかし、セキレイは″重力無効《ゼログラ》″を併用することで
通常と同じ重さで動くことが出来るのである。
強烈な攻撃を受けたときは、体を重石にして
急停止することも可能。弱点も使いようなのである。
ちなみにセキレイはこの能力を《ヘビメタ》と呼んでいる。
「俺の"硬度無効"の前ではお前もダメなようだな!!」
「ゼ、ゼロハード!?(何だそれ、めっちゃカッコイイ‥‥‥‥)」
サバキの言葉をセキレイはオウム返しをしながら少し悔しがった。
何故コイツがこんなカッコイイ能力名なのかと。
サバキの″超技術″、"硬度無効"とは
物体の硬度をそのままに、部分的に硬度を無視して
接触することが出来る影響系能力である。
硬さを無視できるが具体的にどんな硬さまで
引き下がるのかは本人も知らないらしい。
この能力を使用すれば、ダイヤモンドであろうと何であろうと
彼の糸は食い込んでいき、最終的には切断することができるのである。
弱点は、彼が直接、または自ら出したもので間接的に触れなければ
能力が発動しないということである(あまり大した弱点はないのだが)
ギリギリギリギリギリギリッ
「ッッ‥‥‥‥クソッ」
さらに締め上げられているため
セキレイの身体は所々から出血を始めた。
流れ出た赤い血が白い糸を伝った。
「これで終わりか?セキレイ」
サバキが何か言ったような気がしたが、ほとんど聞こえなかった。
締め上げる力が強すぎて、今にも意識を失いそうだった。
「何で‥‥‥‥」
セキレイは口を開いた。
「何であの時にしなかったんだよ‥‥‥‥‥」
彼は思い出していた。ハト
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