23話:ソロモンの鍵は吸血鬼を焼く
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の音が聞こえてきた。
原付のオートバイが当麻から見て右、氷川から見て左の方向からこちらに向かって一直線に走ってくる。氷川は当麻より一瞬遅れてそれに気付き、注意をそちらに向ける。
だが氷川が見た瞬間、原付は転倒しスリップした。
ボディを回転させながら走っていた時より若干遅めのスピードでなお近づいてくる。
やはり子供が運転するには無理があったか。
氷川は手にした刀のうちの一本を槍のように投げた。刀は近づいてきた原付に突き刺さり、地面縫い止めた。
そこで氷川は気付く。
原付には誰も乗っていなかったことを。
「まさか」
振り返った氷川が見たのは、黒いオープンカーが走り去っていくところだった。
一瞬足に力を入れるが、やめた。
追い掛けても徒労になるだけだ。
今日はもう昼間の間に隠れる場所を探すことに専念すべきだ。
【氷川@GANTZ】
[状態]:腕に軽い火傷
[装備]:S&W M66@現実、刀(能力により、現地調達)
[道具]:支給品一式、S&W M66@現実、ランダム支給品一つ
[思考・状況]
基本思考:無理をしない範囲で参加者を殺す
1:早いうちに拠点を見つける
2:次会ったときは当麻とコナンを殺害する(両方とも名前は知らない)
3:玄野と加藤と和泉を警戒
4:主催と戦うかは保留?
◆
原付を囮にして黒いオープンカーで助けに行った。
コナンがしたのはそれだけだ。
まず、原付オートバイをオープンカーに乗せた。
オープンカーを動かし、当麻と氷川が戦闘をしている場所から直線上に伸びている位置で一旦停める。そこで原付を下ろし、無人のまま発進させる。
氷川の注意が無人で走る原付に向いている隙に順路に沿って当麻を迎えに行き、オープンカーに飛び乗らせてそのまま出たのだ。
「あー、疲れた」
言いながら無事持ってこれたデイパックから蜂蜜を取り出してぐびぐびと飲む当麻。実は氷川に遭遇する前にスーパーマーケットから持ち出していたのである。
普段のコナンならば窃盗を咎めるところだが、流石に殺し合いという状況でそんなことは言ってられない。むしろ脱出に必要ならば積極的に道具を集めるのは当然だ。
「これからどうする?」
当麻が運転できないために未だ運転席から離れられないコナンが当麻に尋ねる。
「とりあえず怪我を治療させて」
一応服を裂いて包帯代わりにする等応急処置はしているが、やはりちゃんとした包帯が欲しいし傷口も消毒したい。
「診療所って書いてあるところがあるけど、行く?」
「近い?」
「遠くはない」
「ならお願い。あたしは寝てるから着いたら起こして」
「わかった」
それきり沈黙した二人を乗せたオープンカーは静かに走り続ける
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