23話:ソロモンの鍵は吸血鬼を焼く
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江戸川コナンはキーのついている車を無事発見した。
いや、正確には車ではなく原付のオートバイなのだが、二人で逃げることが出来る頼れる道具であるのに変わりはない。
だが。
(ダメだ。別のものを探さなければ‥‥‥)
氷川と当麻の戦闘を犯人追跡眼鏡で拡大して観察し、判断した。
氷川の高速の刀を紙一重で避けている当麻だが、誰の目にもそれが奇跡に近いことは明白だった。事実当麻が一度ソロモンの鍵として目覚めてなければ、またはこの世とは違うスピードで動く世界を体感していなければ、彼女はとっくに八つ裂きにされていたに違いない。
あの速さ相手にこんな対した速度の出ない原付で助けに入るなど自殺にも等しい。
コナンはその場で眼鏡のスイッチを入れ、辺りを見渡す。
運転席に注目してキーが有るか否かのみを確認する。
十メートル先のポルシェ、ダメだ。その横に止まっている赤いミニ、ダメだ。ミニの後ろのスクーター、ダメだ。動かせるが遅すぎる。ドアの部分にアニメキャラクターが印刷されている痛車、鍵はついているがダメだ。目立ちすぎる。
しかし、その痛車の近くにコナンの求めていた車が止まっていた。
黒のオープンカー。キーはついており、天井は開いた状態で停車している。
オープンカーならば戦闘中の当麻も乗りやすいだろうし、スピードもそこそこあるはずだ。
(問題は助けに行くタイミングと方法だな)
当麻と氷川の距離はほとんどゼロだ。無闇に突っ込んでいったら恐るべき反応速度の氷川にのみ避けられ、戦闘で疲労困憊の当麻が轢かれるなんて惨事を起こしかねない。かといって当麻にコナンからの何らかのサインを見ている余裕など無いし、策を練ろうにも時間は無い。
待てよ、と。
コナンは最初に見つけた原付を見て閃いた。
◆
「ちくしょー!」
左手に炎の剣。右手には七七七。
氷川の二刀流に対抗して当麻も即席の二刀流を作り、さらに戦闘中に炎の剣を複数の投げナイフにするなどの芸当も身に付けるなど少年漫画の主人公みたいになっている当麻だが、それでも劣勢は覆らない。
何回も斬られ、服や身体はボロボロになり、斬られた額から血を流している。もちろん切り傷は全身の至るところにあり、額ほどではないが出血箇所も多い。
対して氷川は先ほど当麻に焼かれた腕以外にはダメージをまったく受けていない。
スタミナも人間の身に戻った当麻とは段違いだ。
「疲れた‥‥」
さらに、魔力の変わりにしていたSPECの力が大量に消費されていた。
そのせいで当麻の疲弊は加速し、当麻の気力にも影響した。
おかげで当麻はほとんど諦めかけていたのだが。
「おせえよバーロー‥‥‥」
ブウン、と。
当麻が頼んだ助け
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