第三章 『イレギュラー』
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巨漢が一層の拳圧を加え、そこから離脱した。あまりの力に地面が凹み、ダンテも一瞬動けなかった。
「終わりだ」
そこへクゥィントゥムが放った魔法『轟き渡る雷の神槍』が迫っていた。最大級の突進力をもつその魔法は、いかにダンテといえど危険であろう。だがダンテは避けるどころか、リベリオンを突き出していた。
轟音と衝撃を伴ってリベリオンの切っ先と『轟き渡る雷の神槍』の切っ先が正面から衝突する。両者の切っ先が接しているところからは雷が漏れ、激しいスパークを起こしている。
このまま拮抗するかと思われたが、ダンテがリベリオンをさらに押し込んだ。
「Break Down!」
ダンテによって押し込まれたリベリオンの切っ先が『轟き渡る雷の神槍』を切り裂き、無残にも魔法の槍は霧散する。使徒達はこれで終わると踏んでいた。しかし結果として、雷の神槍は正面から打ち破られ、彼等は苦虫を噛み潰したような顔になっている。対照的にダンテは不敵な笑みを浮かべていた。
「Hey, what's up?」
それどころか肩をすくめ、使徒達を挑発していた。
「無様だな、テルティウム」
セクンドゥムがフェイトへ語りかけた。その目は明らかに愉快そうに歪んでいる。自身を殺した者をこうして見下ろし、悦に浸っているといったとこであろうか。
「セクンドゥム、なぜ……」
フェイトは驚きを隠せなかった。かつて自分が殺したはずのセクンドゥムがそこにいるからだ。それどころか、セクンドゥム以外の使徒の面々まで復活しているのだ。無理は無いだろう。そう驚くフェイトを尻目にセクンドゥムは大層に気取った物言いを始めた。
「魔法世界全土の魔力がこの祭壇上に充満する今、造物主たる我等が主に不可能はないのだよ」
そして少し間を開けると、散りはじめているフェイトの腹部をセクンドゥムは強く踏み付けた。その力の込めようは、まさに恨みが込められているものだった。
「しかし奴の息子の言い分を聞こうとするとはな。主に逆らう欠陥品の貴様は、消去せねばならないな」
そう言いながらセクンドゥムは何度も踏み付ける。ほとんど反応しなくなったフェイトを踏み付け、踏みにじるその顔には加虐の色が浮かんでいた。
「せめてもの慈悲だ。永遠の幸福を約束する“完全なる世界”へ送ってやろう。あの女の珈琲でも飲んでるがいい、何年でも何百年でも好きなだけな」
言い終わるとセクンドゥムはフェイトを蹴り上げた。もはや力が残っていないフェイトはただただ転がるだけだった。
「あとはあれの回収だな」
そう言いながらセクンドゥムは、ネギの元へ歩み寄ってくる。ネギは気絶しているため、ピクリともしていなかった。セクンドゥムがネギの襟元へ手を伸ばし、今にも届きそうになっ
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