第三章 『イレギュラー』
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
手を負ったはずのデュナミスが、ダンテに問い掛ける。造物主の使徒は“白き翼”らだけでなく、当然ダンテにも立ちはだかっていた。
「依頼があってね。おイタをしてる奴を懲らしめに来ただけさ」
茶化すように返しつつも、ダンテはリベリオンの切っ先をフェイト以降のアーウェンルンクスシリーズやデュナミス、過去に造物主の使徒として暗躍していた者達へ向ける。
「我々を相手に一人でやろうというのか?」
デュナミスの声には少なからず嘲笑の色があった。いくら伝説の魔剣士の血を引く者でも、この人数の造物主の使徒には敵わない。そう言いたげな口調だった。だがダンテは全く怯んでいなかった。それどころか楽しそうですらある。
「Ha-Ha, Freeze!」
その言葉とともに、突然ダンテが使徒達へ向けてリベリオンを投げた。その予想だにしない行動に、使徒達は一斉に放物線上から離れる。
ダンテが獲物を離したと瞬時に判断したクゥァルトゥムが急速に間合いを詰める。それに対してダンテはホルスターからエボニーとアイボリーを抜き、弾丸をクゥァルトゥムへばらまいた。弾丸がクゥァルトゥムへ迫るが、クゥァルトゥムは全て寸前でそれをかわしていく。
そしてダンテを間合いに捉えたクゥァルトゥムは、燃え盛る拳を繰り出した。それに対してダンテも体術に銃撃を織り交ぜ、抗戦する。
ゼロ距離で放たれる銃撃を、寸前でダンテの腕を弾くことでクゥァルトゥムはかわしたが、ダンテはそこへ強烈な蹴りを合わせていた。障壁があるため大きな痛手とはならなかったが、クゥァルトゥムは大きく飛ばされてしまう。
空中で態勢を立て直したクゥァルトゥムが虚空瞬動で再び間合いを詰めようとする。だが、そこへダンテが投げたリベリオンが襲い掛かった。
「なにっ!?」
魔力を利用したダンテの剣技“ラウンドトリップ”。虚をつかれたクゥァルトゥムの周りをリベリオンが執拗に纏わり付き、クゥァルトゥムの身体を切り刻んでいく。その間もダンテは二丁の拳銃を操り、他の使徒達と戦っていた。
「いい加減に……しろ!」
クゥァルトゥムが纏わり付くリベリオンを弾き飛ばし、ようやく解放される。弾き飛ばされたリベリオンは、まるで意志を持っているかのようにダンテの元へ戻っていく。再びリベリオンを手にしたダンテは、今度はリベリオンを主体に攻撃を始めた。
二丁拳銃の銃声と大剣の金属音がダンテと使徒たちによって奏でられているように響く。そんな中、ダンテがリベリオンの腹を盾のようにしながら振り返る。すると、拳が豪快な音を立てて剣とぶつかり合った。拳を打ち込んできたのは、筋肉が隆々と盛り上がった巨漢だった。二人はまさに力比べといった感じに押し合いをしている。
「やるじゃねぇか。だがこいつはどうだ?」
その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ