第三章 『イレギュラー』
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。ほぼ全力で叩き込まれた拳に龍樹は怯むが、さらにダンテは龍樹の頭を掴んだ。そしてそのまま地面へ叩きつける。
「どデカイのぶち込んでやりな! キティ!」
龍樹の頭部は地面へめり込み、そのまま横たわった。好機だ。使徒達は足止めを食らい、龍樹も組み伏せられた。大型の魔法を放つにはこれ以上ないタイミングである。
「その呼び方は止めろ! 貴様にも食らわせるぞ!」
キティという呼び方に反応したエヴァンジェリンがダンテにがなるが、一方で詠唱は佳境に入っていた。巨大な魔方陣がエヴァンジェリンの足元に現れ、膨大な魔力が渦巻いている。
「氷れる雷もて魂なき人形を囚えよ。妙なる静謐、白薔薇咲き乱れる永遠の牢獄』」
そして詠唱が終わり、魔法が発動した。
現れたのは氷と雷を纏った巨大な豪風の竜巻。轟音とも言える風鳴りと共に、雷が走り辺りを凍結させていく。
その様子を見た使徒の一人は、これを冷凍雷撃だと判断した。造物主の使徒である自分たちをこんな術で止めるつもりだったのか、と嘲笑と共に呆れ、避けるまでもないと考えたのか障壁で防ごうとする。
デュナミスがあれは見た目通りの技ではないと警告するが、余裕の笑みでそれを迎えうった。
セクンドゥムは信じられないものを見て驚愕した。
並の魔法では障壁に防がれるはずである。しかし攻撃を受けた使徒が、まるで障壁など効いていないように氷漬けにされてしまったからだ。
「バカな! わ、我ら使徒の多重障壁を無きが如く……」
そこへエヴァンジェリンの高笑いが響いた。セクンドゥムは完全に萎縮してしまっている。
「『終わりなく白き九天』は貴様ら障壁頼りの性能バカを殲滅するために開発した独自呪文だ! 我が白薔薇の雷氷の蔓は貴様ら大量生産品を嗅ぎ分け、その御大層な障壁ごと包み込み周囲を凍らせ続ける!」
エヴァンジェリンがそう高らかに説明している間にも使徒達は逃げ惑い、次々に氷漬けにされていく。セクンドゥムは肉体を雷化させ雷速で逃げ出した。しかし『終わりなく白き九天』は同じく雷の蔓が伸びる魔法だ。無数の蔓にセクンドゥムはどんどん追い詰められていく。
「無駄だ! 我が雷氷の蔓、意志なき人形に逃れること能わぬ!」
「クソッ、クソッ! こんな化け物だったとは聞いていない、聞いていないッ――!」
精一杯の悪態をつくセクンドゥムの足に、とうとう雷氷の蔓が絡みついた。セクンドゥムの体がみるみるうちに凍りついていく。凍った部分を砕いて抵抗を試みるが、砕いたすぐ側から凍りついてしまう。
「ままま、待て待て待て! はなっはっ話しあおうじゃないかぁ、あぁぁ!」
命乞いも虚しく、とうとうセクンドゥムの体は氷に包まれてしまった。氷の中に見えるその顔には、恐怖が張り付いていた。
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