第二章 『宿命』
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ったからだ。
しかしこの魔力の乱流は、魔法世界と旧世界の魔力濃度の違いにより起こった魔力の流入現象に違いなく、またそれは両世界が繋がった証左だった。そしてその魔力乱流の暴風に仲間が曝され、仲間や仲間が乗る『グレート・パル様号』が魔力乱流へ吸い寄せられていく姿が見えた。
「みんな――」
もしあの魔力乱流に飲み込まれれば、ただではすまないだろう。生身で吸い込まれれば体がバラバラになってもおかしくない。戦いの最中だが、ネギの注意がそちらへ逸れた。そこへフェイトの蹴りが入り、ネギは弾き飛ばされてしまった。
「向こうと繋がったのは想定外だ。でも今は! この戦いが、この戦いこそが全てだ!」
弾き飛ばされたネギへ瞬動で追いついたフェイトが追い打ちをかけた。
その拳はネギの胸部を貫く。
その光景を早乙女ハルナや絡繰茶々丸は魔力乱流に吸い込まれるグレート・パル様号の中から見ていた。
「ネギ君!」
「そんな、先生っ!」
ネギが胸を貫かれる光景に、二人はネギの名を叫ぶが、それはすぐに大きな衝撃に中断された。グレート・パル様号が魔力乱流の中心へ近づいていたからだ。
「仕方ない、エンジン噴射停止! 流れに任せて下降する!」
そしてとうとうグレート・パル様号は流れにまかせ、魔力乱流の渦の中へ消えていった。もはや彼女らの無事を祈るほかなかった。
一方、フェイトは一瞬勝利を感じたもののすぐに気づいていた。
(囮!)
フェイトが貫いたのはネギが雷で作り出した囮だった。普段のフェイトなら攻撃をする前に囮だと気づいただろう。しかし高速すぎる戦闘、普段は抱いたことがなかった戦うことへの喜びと高揚がフェイトを鈍くしてしまった。
では、本物のネギは? 囮を作りフェイトの拳を避けただけだろうか?いや違う。ネギは少し離れたところで術式を解放していた。
「術式解放・完全雷化!」
ネギがそう唱えると、霊体と融合していた『千の雷』が解放される。取り込んでいた雷撃を解放し、自身が雷そのものとして突進する『千磐破雷』。その破壊力はラカンですら危険視した程だ。フェイトもその威力は見ていた。そのまま受ければただでは済まない。しかし避けのるには遅すぎた。フェイトは多重障壁を全面に押し出し防御する。しかしこの判断が明暗を分けた。
二人が衝突した瞬間に、ネギは雷速瞬動でフェイトの背後へ周っていたのだ。千磐破雷を防御するために背後に多重障壁はない。加えてこのネギの攻撃を、避けるにしろ防ぐにしろ、もはや間に合わない。
フェイトの背中にネギの拳が突き刺さった。
「ゴッ、ハァ!」
「ぐッ!?」
フェイトの顔に苦悶の色が浮かぶ。背中から腹にかけて拳で貫かれているのだ。当然であろう。し
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