第二章 『宿命』
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単純な話だった。向かってくる剣も杭も、叩き落せばいい。自分に当たるよりも早く、自分に殺到するよりも多く速く叩き落としてこの空間を出ればいいだけだ。これは賭けだ。もし速さが足りないならば雷速による回避も出来ずに死ぬだろう。だがこれしかなかった。
「ああぁ!」
気合と共に二本の断罪の剣が千刃黒耀剣を叩き斬っていく。フェイトも、新たに千刃黒耀剣と万象貫く黒杭の円環を展開し続けていた。フェイトは、圧倒的な物量で押し切るつもりらしい。
雷速瞬動、思考高速化、体術全てを惜しみなく使って、無数の千刃黒耀剣と、無数の万象貫く黒杭の円環の波を切り裂いていく。そしてついに、黒一面の世界からネギは抜けた。
そこには、フェイトがいる。
ネギはそのまま剣を振っていた。その斬撃はまさに目にも映らぬ雷速の剣。認識することすら困難だろう。しかしフェイトは斬りつけられる断罪の剣を掴み、砕いてしまった。
断罪の剣が硝子の様に砕け散る中、フェイトは石の剣を振り下ろす。だがネギも残った断罪の剣で斬り付けていた。
衝撃と轟音をともなって二本の剣が激突した。
「見事だ、本当に見事だよネギ君! 今の君はあのジャック・ラカンとなんら遜色ない。惜しみない称賛を贈ろう」
「君こそ! あのラカンさんが反応しきれなかった、僕の雷速近接戦闘に対応出来るなんて、信じられないよ!」
世界の命運を賭けて戦っている二人の顔には楽しそうな笑みが浮かんでいた。互いに戦えること、拳を交えることにだ。息が乱れているネギに自覚はなかったが、フェイトは明確にその楽しみを感じていた。
笑みを浮かべ競り合いを続けていた二人が急に弾け飛ぶように離れた。すると先ほどまで二人がいた所へ、巨大な岩が落ちてきた。ネギはその岩へ向けて断罪の剣を投擲する。放たれた断罪の剣はその岩を易々と貫通し、岩の向こうにいるフェイトへ迫っていた。
それをフェイトは石の剣で叩き壊し、振り返って剣を振り下ろす。そこには雷速瞬動によりフェイトの背後へ移動していたネギが、拳を突き出していた。
振り下ろされた石の剣とネギの拳が激突する。その結果、石の剣は大きく割れてしまった。
剣の破片が散らばる中、フェイトはすぐさま徒手空拳に切り替える。拳や蹴りが何度も衝突し、拮抗した攻防が続いた。
そして再び二人は弾かれた様に間合いをとった。
ネギはフェイトを視界に捉えつつ、空を見上げた。空には巨大な魔力の乱流が発生し、巨大なうねりをあげていた。先程の岩はその乱流に巻き上げられた物が落ちてきたのだろう。
そして驚くべきことに、その魔力の乱流の向こうに麻帆良学園が見えた。
「あれは、麻帆良……学園?」
ネギは予想だにしない光景に驚いていた。流石のネギも、ここにきて魔法世界と旧世界が繋がるとは考えていなか
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