第二章 『宿命』
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たのだ。
フェイトの反撃を受け止めたネギは肘でフェイトを打ち付け、さらに裏拳でフェイトを吹き飛ばす。さらに、落下していくフェイトへ向かってネギは追撃する。
普通なら間に合わないだろう。しかし雷速を生み出せる今のネギならそれは容易い。
ネギの姿が瞬くと、遠く離れていたフェイトの腹に拳打が打ち込まれ、フェイトは遥か下まで殴り飛ばされる。地面へと打ち付けられたフェイトへ、ネギはまたもや雷の如く近づく。
このままフェイトの防戦一方かと思われたが、以外にもフェイトは肘を突き出すだけだった。しかし、ネギはそのカウンターをもろに喰らってしまった。
「ネギ君。その技への対策は、君の師匠が全国ネットで公開済みだろう。ダメだよ、この戦いで出し惜しみはなしだ」
それを聞いたネギは、見てたの? と驚き、そして観念したように遅延させていた千の雷を解放した。そしてその千の雷を手元に固定し、掌握して霊体へ取り込む。
千の雷を二重に取り込み発動させたのは術式兵装『雷天双壮』だ。これはネギの師匠であるジャック・ラカンですら対応しきれなかった、ネギの独自魔法であり、切り札でもある。
それを見たフェイトは満足そうな笑みを浮かべた。そしてファイトは石の剣を、ネギは断罪の剣を精製し、二人の激しい剣戟が始まった。
雷速に達するネギの剣速に劣らずフェイトも剣を振るい、幾度と無く剣が交差する。速度ではネギに大きな利がある。しかしフェイトは、剣戟の僅かな隙に千刃黒耀剣を放って手数を増やすことで、何ら引けを取らない戦いを繰り広げていた。
いや引けを取らないどころか、ネギよりも経験で勝るにフェイトに僅かではあるが分がある。ネギもそれはわかっていた。経験の差は今更覆すことはできない。ならばネギがすることは決まっている。師匠のジャック・ラカンと戦った時に出した答えだ。
『経験で劣るなら、性能で上回る』
ネギが更に速度を上げる。フェイトに認識すらさせないつもりだ。
「これならどうする? ネギ君?」
しかしフェイトはそれをわかっていたかのように、ネギの出鼻を挫きにくる。
認識すら難しい速度で逃げるならば、逃げる場所を無くせばいい。無数の千刃黒耀剣と無数の万象貫く黒杭の円環を、同時かつ何重にも何重にも展開。ドームのようにネギの全方位を取り囲む。
雷天双荘を発動し、常時雷化が可能となったネギでもこれを避けることはできないだろう。これらを縫って避けるべき隙間すらないのだ。
雷天双荘の恩恵で高速化した思考で、ネギがどう切り抜けるか思索する。だが、それでも時間が足りなかった。フェイトは全方位の千刃黒耀剣と万象貫く黒杭の円環を放っていた。
(やるしかない!)
ネギは断罪の剣をもう片手に精製し、雷速で動いた。フェイトへ向けて。
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