第二章 『宿命』
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吹き飛ばされ二人の間合いが広がったと思った矢先、またもや両者が一瞬で間合いを詰め、拳と拳がぶつかり合う。拳を繰り出しては相手の拳をいなし、拳をぶつけ合う。余りの激しさに地面が抉られ、余波の衝撃と岩石が側に人質として捕らえられていた宮崎のどかと村上夏美に襲い掛かった。思わず悲鳴を上げた二人に、一瞬ネギの注意がそちらに逸れる。
その僅かな隙をフェイトは見逃さなかった。より力が篭められた拳をネギの頭部を狙って打つ。達人同士の戦いでは、刹那の隙が明暗を分ける。つまりフェイトの判断は間違いではなかった。
しかしネギ自身も、注意が逸れた時点でフェイトは仕掛けて来ると分かっていた。その為、フェイトの強烈な拳打を右腕で弾き軌道を逸らすことで、まさに紙一 重にかわすことができた。そしてカンウターに踏み込みと共に左腕の肘を叩き込む。更にのどか達から離れる為に、体勢の崩れたフェイトを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたフェイトは、数十メートルも飛ばされた挙句に、ようやく止まった。フェイトが起き上がると、呪文を唱えるネギの姿が遠目に確認できた。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル『光の精霊千一柱集い来りて敵を射て』」
ネギの辺りに光の球がいくつも現れる。
「『魔法の射手 連弾・光の1001矢』!」
ネギが辺りに現れた光の球を、フェイトへ向けて放った。まさに雨の如くその千一本の魔法の矢がフェイトへ降り注ぐ。
魔法の射手は攻撃魔法としては最も基本的な技である。しかし闇の魔法を行使したネギの魔力は増幅しており、魔法の射手が最も基本的な攻撃魔法であるといってもその威力は侮れない。現に魔法の矢によって宮殿の地がえぐられ、砕けていく。しかしフェイトは地形が変わっていく中、確実に光の雨をかわしていく。もはや基本攻撃魔法の威力ではない魔法の矢は、フェイトにかつて戦ったネギの父、ナギ・スプリングフィールドの姿を思い起こさせた。
(基本攻撃魔法とはいえここまでくれば大魔法と変わらない。まさにかつての千の呪文の男を思わせる――)
そんな中フェイトの右足を何かが掴んだ。彼の足を掴んだのは、もちろんネギだ。
ネギは遅延させていた魔法の射手・光の1001矢を解放させ、崩拳と共に打ち出した。魔法の矢を纏った拳『桜華崩拳』がフェイトへ迫る。しかしネギは気が付いていた。桜華崩拳を放つ寸前、フェイトの左目が妖しく光った事に。
次の瞬間、迫るネギの拳へフェイトの左目から光線が放たれた。光線を受けたネギの右腕は石像のように固まっていた。フェイトが左目から放ったのは『石化の邪眼』という魔法である。光線に触れたものを石へと変えてしまう高等な魔法だ。
ネギは次々に放たれる光線を、魔法の射手によって巻き上げられた岩を足場にして離れながら避けていく。ネギは石化の邪眼
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