第二章 『宿命』
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作段階のものではあるが、ネギが編み出した障壁破壊に特化した技だ。未完成のこの技に、闇の魔法によって増幅した魔力を込めることで、強引に障壁を破壊しようとしているのだ。
先程までびくともしなかった障壁にネギの爪がめり込んでいく。そのまま破壊するか、と思われたが、あと一歩というところで拮抗してしまう。
そして同時に、造物主の頭上に黒い稲光が走っていた。そこには、『千の雷』と『雷の投擲』の二つの魔法を統合した『雷神槍 巨神ころし』を発動させたネギがいた。
巨神をも葬る巨大な雷撃の槍を造物主へ向けて振り降ろす。振り下ろされた槍は造物主の障壁へ激突した。
「――!」
そして咆哮とともにネギは雷神槍に吹き込まれた雷撃を解放し、『千雷招来』を発動した。本来なら広域に降り注がれる千の雷。それが雷神槍を起点に巨大な黒い雷の束となって雷神槍から解き放たれる。
この集約された雷のエネルギーは凄まじく、造物主の障壁に亀裂が入る。そしてついに障壁は音を立てて砕け――造物主の目前にネギが現れた。ネギは千雷招来を発動させた瞬間に雷化し、造物主へ迫っていたのだ。囮による四方からの同時攻撃に加え、本物による雷速攻撃。逃げ場はない。
「愚か」
その造物主の声を聞いてネギの動きが一瞬鈍った。槍に貫かれた囮が霧散し、ネギは首を鷲掴みされてしまう。
「――!」
ネギは雄叫びを上げ振りほどこうとするが、びくともしない。それどころか造物主の腕に力が増していく。ネギの雄叫びは徐々に小さくなり、動きも鈍化していく。次第に妖紅に染まった瞳に光が無くなっていく。
そして、とうとう造物主の腕を掴んでいたネギの両手がだらんと垂れ、魔物のような姿だったネギが、元の人間の姿へ戻った。
そこへ一瞬の風切り音が響き、造物主の腕を何かが貫いて、地面へ突き刺さった。造物主の腕が千切れ、ネギは地面へと倒れ込んだ。倒れ込むネギの瞳に反射していたのは、髑髏の装飾をした剣だった。
造物主は千切れた腕を気にするでもなく、剣が飛来してきた方向を見据えた。そこには少し離れた浮遊岩の上に立つ者がいた。
銀色の髪に赤いコートをはためかせる男。ダンテだ。
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