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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十九話 強奪と僅かな休息
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彼一筋?」

「テメエな…これ以上ふざけるなら潰すぞ」

「おっかな〜。分かりました、分かりましたよ……で好みは胸の大きい子?」

ジャキ

銃口がティトゥスの額に当てられる。撃たれることはないと分かっていても、いや待て、こいつだったらマジで撃ちそうな気がしてきたと冷や汗を流すティトゥス。流石に不味かったかと思い謝ろうとすると、

「あえて言うなら尻が柔らかいほうだな」

してやったりといった感じのいい笑みを浮かべている司狼だった。

「参った、参りました。もうからかわないから」

両手を挙げて降参を示すティトゥス。冗談だと笑うがティトゥスには冗談に見えなかった。

「っとまあ、無駄話してる暇ねえよな。俺とお前はともかく香純にはちっとばかしきついだろうからな。とりあえずどこに行きゃいいかね」

「彼女の住んでる場所でいいんじゃない?休ませれるベットがあるような場所なんてそうそう無いんだし」

「じゃあついでにそこで待ってるとするか。蓮のやつが香純探しに来るとしたらそこに行くだろうしな」

互いが互いに行くだろうと予測した場所に向かった結果、皮肉にも司狼も蓮も会えること無く昼を終えることになる。



******



―――昼・教会地下―――

煙草を吸うザミエルは目に見えて不機嫌な様子だった。誰が原因かと言えばアルフレートその人である。病院での先の戦い自体は自分なりに終わった物と既に認めている。それに関して彼女が不機嫌なわけではない。彼女が不機嫌な理由は今、自分の円卓の前に置いてあった書置きと一つの皿だった。

『現世への一時的な帰還お疲れ様です。つきましては故郷の味を思い出して頂きたくケーキを焼いておきました。是非御賞味を アルフレート
追伸 茶葉は棚にしまっておりますのでそれと一緒にお召し上がりください』

「何をしているのだ、あの馬鹿者は……」

頭を押さえ、相変わらず女々しい真似をと思いながら流石に食べ物自体に罪は無いと思い、一応追伸通り茶葉を用意し紅茶を入れることにする。

「ザミエル、俺にも頼む」

そしていざ茶葉を出しお湯を沸かそうとした段階でマキナが現れた。

「何?貴様もか」

「ああ、俺の机にも同じようにおいてあった。お前のとは種類が違うようだが茶葉の方は一種類だろう」

「ああ、その通りだ。いいだろう、紅茶の一杯や二杯さして変わるまい」

教会の地下、ザミエルとマキナ、ついでに玲愛による三人の奇妙な茶会が開かれた。

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