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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十九話 強奪と僅かな休息
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斃してカインを取り戻したい。そう思い再び剣を構えてアルフレートに向かい合う。
「ハハハ、認めないねえ。いいよ、別にそれでも。そう思いたいならそうしなよ。なんならこの剣も君に上げようじゃないか」
そういって手に取っていた剣を投げ螢の目の前に突き刺さる。あっけに取られる彼女だが反射的にそれを手に取り、抱くかのように胸に抱える。
「何故、って聞こうとするなよ。さっきから疑問しか発して無いんだから少しは自分で考えなよ」
先にそう忠告された彼女は疑問を発することが出来ず、しかし疑問を解消できなくなり如何した物かと困惑していた。それを見かねたのか彼は仕方が無いとばかりに答える。
「はあ、カリグラにとって聖遺物が二つあったところで使えんよ。呪を押さえ込むので精一杯なんだからな。僕や他の分体も聖性に対する耐性を持ちえない。だから僕達にそれを使うことが出来ない。圧し折っても構わないんだけど、その必要性も感じない。持ち手がいない聖遺物にまで気を掛ける必要なんて感じないからね」
そう言って彼は剣を握っていた右手を見せる。その掌はただ握っていただけにも拘わらず火傷を負っていた。
そして理由を言ったからこれで話はお終い、とばかりにアルフレートは公園から出て行こうとする。当然、櫻井はそれを止めようとするが止めることができないままに彼はカリグラをつれてその場を離れていった。
後に残ったのは最初にトバルカインが抉った地面と一人静かに涙を流す櫻井だった。
******
―――昼・ボトムレスピット―――
俺は神父とクラウディウスの三人でアルフレートと三騎士に対抗するための作戦を練っていた。
実際、戦力的には六つ目が開いてる時点でアルフレートの実力は三騎士と同等のものになっていることを含めて考えると勝率は低い。俺自身一度、実際に赤騎士に敗北している。クラウディウスは自身の戦闘技能が低いものであると明言しており、神父に関しては未知数ではあるが、少なくとも複数人を相手に勝てるほど甘くは無いのだろう。
「で、結局は櫻井の手を借りることは出来なかったわけだが如何する気だ?」
彼我の戦力差は三対四。その上実力的にもこちらが下回っている。となれば取れる策も自ずと限られる。
「策としては大別して二つ。各個撃破と一点集中のどちらかでしょうね。そして我々は最低でも二人を倒さねばならない以上、例え戦力が戦力で劣っていようとも各個撃破をとるしかありません。であれば後は誰が誰を相手にするかにかかっています」
「今の状況じゃ俺たちの内、誰か一人は二対一になるってことだよな?」
「だとしたらその役目は私が負うべき役割でしょう」
そういって現れるクラウディウス。二対一の状況を自ら受け入れる。それはつまり自己の死を理
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