暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
七章 「夜に二人」
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ラストールは分かってるよ本当。こうなってしまえば、主導権は俺のもんだな。
「それじゃ、決まりだ」
 俺は下に降りる準備を始める事にした。こういうのは動いてしまえばこっちのもんだしな。
「……それより、中に入るのは良いけど」
 シャナがギロリと、さっきよりキツく睨んでくる。なんだよ、まだ何かあるのか。
「良いけど――、なんだよ?」
「変な事をしたら、ぶっ飛ばすわよ」
 冗談じゃないであろう所がシャナクオリティーだし、ぶっ飛ぶで済む訳がないのもシャナ理論だろう。
「―――大丈夫だ、問題ない。あかいあくまは言っている、ここで死ぬさだめではない、ってな」
 誰よそれ、というシャナの言葉を軽く流してシャナからカップを回収。俺達は梯子を降りる事にした。


  ◇


 窓から部屋に入り、ドアノブに手を掛けた所でシャナが声をかけてきた。
「待ちなさい。お前、どこに行くつもり?」
 あぁ、この家の構造をシャナは知らないんだよな。もっとも、俺自身も坂井悠二の記憶がなかったら知る筈もないんだけどさ。
「俺は書斎で寝るから、この部屋は自由に使ってくれ」
 男女が一緒の部屋で寝るのは、流石によろしくないだろ?
 せっかく中に入って貰ったのに、シャナを別の部屋に追い出すわけにはいかないしな。気をつかってるんだ、後は察してほしい。第一、変な事をするなってシャナも言ってたしな。予防策みたいなもんさ。
「何を言ってるのよ? お前もこの部屋で寝るのよ」
 あ…、ありのままに今起こった事を話すぜ。男女で同じ部屋はマズイと思って現在使用されてない書斎に向かおうしたら、シャナに制止された。
 な… 何を言っているのか、分からねーと思うが、俺もなんで止められたのか分からなかった。
 頭がどうにかなってるのかと思った……。俺の妄想だとかイベント入っただとか、そんな棚ぼたラッキーだとかじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わっちまう事になるぜ……。
 難癖つけられて確殺じゃないか!
「いやいやいやいや、ちょっと待て!」
 たまらず声を上げる。っとこれもマズイ。
 思わず声が大きくなってしまった。千草さんに気付かれてなければ良いんだが……。
 夜中に同級生の女子を部屋に連れ込んでるなんてバレたら、こっちも確殺だろ!
 さっきより声を潜めてシャナに反論する。
「確かに中に入れとは言った。けどな、一緒の部屋で寝る訳にはいかないだろ!」
 シャナはベッドの上で跳ねながら答える。あぁ、もう跳ねるな。スプリングが駄目になるだろ!
「お前を守る為に部屋に入ったのよ。なのになんで別々の部屋になるのよ」
「そりゃあ、男女が一緒の部屋で寝るのは色々と問題があるからだ!」
 俺がそう言うとシャナが呆れた顔をする。全く、セイバーもそうだったけ
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