暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
七章 「夜に二人」
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かかいてるんですかねぇ!?

 あんたの着てる服は何ですか? はい、ただの制服です。違う! セーラー服だろうが。
 あぁ、もう全く。セーラー服でそんなに行儀悪く胡座をかかれてたら不味いんだよ!
 俺は今、屋根の縁から少しだけ頭を出した形でいる。だから、自然とシャナを見上げるポジションな訳で………。
 柔らかな曲線美を描く両足。水飛沫を弾く程、きめ細かく張りの良い肌。それらも十分過ぎる程に危険な要因だ。だが、そんな事は些細な事の様にに思わせる程、もっと恐ろしい物がある。
 そう、シャナの足は言うならばショートケーキの土台部分。ホイップクリームでコーティングされた、純白のそれは単体でも十分に美しい。だが、彩りを加える事でその無垢な白さを一層、際立たせている。
 アレは、間違いなくそれと同じだ。もぎたて超新鮮。一見するとメインに見えるが、あくまでも引き立て役。適度な自己主張が全体のバランスを引き締めている。

 偶々、俺が下から見上げる形になってしまい、その上、影で死角になっていた………訳でもなく、強化しなくても元から俺の視力は良かった。そんな様々なファクターが一番望まれない形で結び付いた、そういう事だ。
 これは自己弁護ではなく、事実を述べただけである。言うならば不幸な事件、いや不慮の事故だ。
 俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!
 俺は悪くねえぞ、シャナがあんな場所で胡座をかいてるのが悪いんじゃねぇか。

 という事で、端的に事実を述べると布がね、見えそうなんですよ。というか、角度的に見えてるんですよ。パンツじゃないから恥ずかしくないもん! だってか? 生憎、俺はアレをズボンと形容する文化で育ってない。どう見てもパンツです。本当にありがとうございました。
 まぁ、唯一の救いって訳じゃないけど、白だったのは助かった。さっきのショートケーキの話じゃないがイチゴパンツだったら終わってたな。シャナの、あの見かけだけなら別に不思議じゃない。だが、色々とアウトだよ、主に俺が。

 せめてもの配慮という事で極力、目線を向けないようにして声を掛ける事にした。
「やっぱり、居たか」
 この上なく不機嫌そうなシャナは、その不機嫌さを全く、微塵も、これっぽっちも隠す気もなく言い返してきた。
「居て悪いの?」
 何かマズッたか? やっぱり、こんばんわー、位の方が良かったのか? あーっ、もう知らないぜ俺は。何でいちいち俺が気を回さないといけないんだ。
「別に悪いって事はないけどさ。声、雨が降ってるのに聞こえたぞ」
 開き直って偉そうに言ってみるが、実際のところは聴力強化のブーストがなかったら何を言ってたのかさっぱりだったんだが。
「ふん、お前の知った事じゃないわ」
 これも不機嫌な声色で返してくる。一体、何が不満なんだか。確かに普段からニコ
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