”狩人”フリアグネ編
七章 「夜に二人」
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功した俺は、中から襖を閉めた。
のは良いんだが……。
「…………」
―――イカン。これは………、非常に……良くないな。
部屋が妙な静寂に包まれているなか、襖一枚挟んだの向こうではシャナがゴソゴソと動いている気配がする。
こうも静かだと、衣擦れの音がこれはもう良く聞こえるのだ。
女性の裸を見た事がない訳ではない。ない訳ではないからって、決して見慣れている訳でもない。
男としては流石にこういう状況は気まずいので、動揺を誤魔化す為にシャナに質問する。
「あのさ……。シャナは寝巻きとかは持ってるのか―――って、うわっ!?」
襖に硬い物がぶつけられる。多分、目覚まし時計だろう。
「覗くなって言ったでしょ!」
「覗いてない! 襖を見れば分かるだろ!? それと、物をこっちに投げるんじゃない、襖が破れるだろ!」
何も考えないで投げたんだろう。全く、襖に物を投げるなんて非常識な奴だよ。親の顔が見たいぜ。
二次被害を想定してみたのか? 穴が空いたらどうしてくれるんだ。
「ただ、シャナが寝巻きを用意してるか聞きたかった、それだけだ。覗こうとした訳じゃない」
「どうかしらね。あぁ、それと着替えなんてないわよ。あるのは替えの下着だけ。体の汚れはアラストールが清めてくれるから、替えるのは気分だけど」
まぁ、急に泊まってけって言った訳だし、着替えはなくて当たり前だよな。下着は用意できてるってのは不思議な話だけど。
「了解。なら、ベッドの横の引き出しにジャージがある筈だ。それを使ってくれ」
まさか下着のままで寝ることはないだろうとは思っていたけど、念の為だしな。第一、制服だと寝心地が悪いだろうし、女の子に脱いだ服をもう一度着て寝ろって言える程、怖いもの知らずじゃないしな。
返事は無いが、別に返事を期待していた訳じゃないし、別に良いか。
要領が悪いって訳でも無さそうだし、ちゃんと着てくれるだろう。
「ところで、俺はいつまでここに居ないといけないんだ?」
そう言って少し急かす。あまりゆっくりと着替えられるのは迷惑だしな。閉所恐怖症って訳じゃないけど、流石に押し入れの中は狭いし、暗いしな。広々と布団を敷いているなら、どこぞのネコ型ロボット同様に快適な空間だろうけど、これだけ物で溢れてる空間だと住めば都なんて悠長な事も言えない。
「夜中の間、ずっとに決まってるでしょ」
「――――ハイ?」
何言ってんですか、シャナさん。夜中の間って一晩中って事ですか。間借りしている身とはいえ、一応この部屋の主は俺な訳なんだが、もう我が物顔ですか。
「………なんでさ」
思わず脱力して後ろの壁寄りかかる。ついでに周囲にある物にぶつかった気がするが、今はそんな事は些細な事だ。
別に三日三晩戦い明かした事もあるし、寝れない事自体はそれ
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