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遊戯王デュエルモンスターズ 〜風神竜の輝き〜
第2章 風神竜と謎の男
第10話 胎動する陰謀
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、この場にはその視線を気にする相手がいない。
最も、それがいた所で、この男はそんな視線など気にするような人間ではなかったが。
間もなく男は、目指していた1棟の廃工場に辿り着く。
鉄製の非常に重い引き戸を開けた男は、姿は見えないがそこにいると確信している人物に向かって跪く。

「ただいま戻りました」

男は、相手の次の言葉を静かに待つ。

「風神竜はどうした」

いかにも冷酷な男であろうと印象付ける低い声で、彼はローブの男にそう問いかけた。
ローブの男はすぐさま、それに返答する。

「はっ、南雲 遊雅と言う小僧が所持していた模様です。しかし、今は手元にないとの事。念の為、彼奴のデッキも調べましたが、所持している様子はありませんでした」
「南雲 遊雅か……すると、その小僧が奴の……」
「恐らく、間違いないかと思われます」
「そうか。引き続き調査を続けろ。その南雲 遊雅とやらがあれを所持していたのであれば、いずれその手の内に戻るやもしれん」
「はっ、畏まりました」

ローブの男は胸に手を当てて、会話の相手に向けて深々と頭を下げた。
そしてすぐに立ち上がり、廃工場を後にする。

「逃げ(おお)せると思うてか、導師よ」

男は低く笑いながら、そのように呟いた。
夜はまだ深い。
それはまるで、これから1人の少年を待ち受ける運命のように、重く、そして何より暗かった。
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